赤ちゃんが生まれてから初めて迎える大切なイベントといえば「お食い初め（おくいぞめ）」ですよね。
生後100日ごろに行うこの行事は、「これからの人生で食べ物に困らないように」と願いを込めて、赤ちゃんに初めてごはんを“食べさせるふり”をするものです。
でも、いざ自分がやるとなると
「お食い初めってどんなことをするの？」
「準備するものって何？」
「どこまできちんとやればいいの？」
と、初めての経験に戸惑ってしまうママさんも多いと思います。
特に、最近は両親だけで自宅で行うケースも増えているので、かしこまった形式よりも「赤ちゃんと家族がリラックスして楽しめるやり方」が求められているんですね。
この記事では、
「お食い初めの基本的な意味や由来」
「行う時期の目安から当日の流れ」
「必要な準備」
「簡単にできる献立の工夫」
「写真に残すときのコツ」
まで、初めてでも安心して取り組めるように丁寧に解説しています。
また、忙しいママでも無理せず実践できるように、宅配や仕出しを使った便利な方法や、上の子がいる家庭での工夫ポイントも紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
お食い初めの意味やタイミングを知っておこう
お食い初めの意味と由来
お食い初め（おくいぞめ）は、生後100日ごろに「これからの人生で食べ物に困ることがないように」と願いを込めて行われる、日本ならではの大切な伝統行事です。
赤ちゃんにとってはじめての“食”に関する儀式ともいえるこの行事。
実際にはごはんを食べるのではなく、「食べさせる真似」を通して、健康で元気に育ってくれるようにと家族みんなで願いを込めるものです。
この風習は、平安時代から続いているといわれており、古くから日本の家庭で大切に受け継がれてきました。
当時は貴族の間で行われていた儀式でしたが、時代とともに庶民の間にも広まり、今では多くのご家庭で取り入れられるようになりました。
また、「100日祝い」とも呼ばれたり、「百日（ももか）祝い」といった呼び方をする地域もあります。
食べることができるようになる＝生きる力がついてきた、という意味合いもあるので、赤ちゃんの成長を感じる節目としてとても大事なタイミングなのです。
お食い初めはいつやる？時期の目安と地域の違い
基本的には、生後100日目に行うのが一般的ですが、ぴったりその日でなくてもまったく問題ありません。
生後100日から数えて前後20日程度、生後100日～120日くらいの間で行うご家庭が多いです。
ママや赤ちゃんの体調、パパの仕事の都合、家族が集まりやすい日などを考慮して、無理のないスケジュールでお祝いできるタイミングを選ぶと良いでしょう。
また、地域によってお祝いをする日数には少し違いがあります。
たとえば関東では100日ぴったりに行うことが多いですが、関西では110日、120日ごろにするところもあるそうです。
おじいちゃん・おばあちゃんが昔からの風習に詳しい場合もあるので、事前に相談してみると安心ですね。
最近では「ちょうど100日目は平日で大変だから週末にずらす」といった柔軟な考え方も増えていますよ。
お食い初めに集まる人は誰？主役と参加者の基本
お食い初めの主役はもちろん赤ちゃんですが、一緒にお祝いする人たちの存在もとても大切です。
参加者としては、パパ・ママのほか、おじいちゃん・おばあちゃんなどの祖父母、きょうだいがいればその子たちも一緒に集まってお祝いするのが一般的です。
昔ながらのスタイルでは、親戚を招いて大人数でにぎやかに行うこともありましたが、最近は自宅でコンパクトに行うスタイルも増えています。
特にコロナ禍以降は
「夫婦だけでゆっくりと」
「オンラインで祖父母に見せながら」
など、家庭ごとに工夫をこらしたやり方が広がっているんですね。
大事なのは、形式よりも「赤ちゃんの成長を家族で一緒に喜ぶ時間を持つこと」。
誰が参加するかよりも、家族みんなが笑顔で楽しく過ごせることを意識してみてくださいね。
お食い初めの基本のやり方と流れを解説
お食い初め当日の進め方を簡単に紹介
当日は、赤ちゃんを正装（ベビードレスや袴風ロンパースなど）に着替えさせて、事前に準備したお食い初め膳をテーブルに並べておきます。
赤ちゃんの前に料理をきれいに配置し、主役の赤ちゃんがしっかり見えるように座らせましょう。
抱っこして膝に乗せるスタイルでもOKです。
家族がそろって「これから食べるまねをするよ～」などと声をかけながら、和やかな雰囲気でスタートすると、赤ちゃんもリラックスできますよ。
写真や動画を撮る予定があれば、照明やカメラ位置を確認しておくとスムーズです。
料理を順番に口元に運ぶ“食べさせるふり”は、養い親またはパパ・ママが行います。
赤ちゃんが眠ってしまった場合は、ぬいぐるみに代役をお願いするのも楽しいアイデアです。
全体としては20～30分くらいで終わることが多く、途中で赤ちゃんの機嫌に合わせて進行を調整して大丈夫ですよ。
料理を食べさせる順番と声かけの例
食べさせる順番には伝統的なパターンがあります。
「ごはん → 汁物 → ごはん → 魚 → ごはん → 汁物」
という流れを3回繰り返すのが本来の形式とされています。
ですが、絶対にこのとおりでなければならないわけではありません。
赤ちゃんや家族の状況に合わせて、柔軟に行ってみてくださいね。
ひと口ずつ料理を赤ちゃんの口元に近づけながら、
「ごはんだよ～」
「お魚さん、おいしいね」
「たくさん食べて元気に育ってね」
など、声かけをしながら行うと、よりあたたかい雰囲気になります。
また、口上といわれるような正式な言い回しもありますが、やさしい言葉や普段の声かけで十分です。
家族で一緒に笑いながら、「この子が健やかに育ちますように」と願う気持ちを込めて行うことが大切なんですね。
養い親（食べさせ役）の決め方について
「養い親」とは、お食い初めで赤ちゃんにごはんを食べさせる真似をする人のことを指します。
この役目は、赤ちゃんが将来食べ物に困らず、健康で長生きできるようにという願いを込めて、できるだけ年長者にお願いするのが伝統的なスタイルです。
とくに、祖父母のどちらかがこの役目を担うことが多く、「長寿の人から長寿をもらう」という意味合いも込められています。
ただし、必ずしも決まりきったルールがあるわけではないので、両親が養い親を務めてもまったく問題ありません。
最近では、両親のみでお祝いを行う家庭も増えており、その場合はパパやママが代わりに担当しても自然です。
また、「誰にお願いするべきか迷ってしまう…」という声もよく聞かれますが、いちばん大切なのは“赤ちゃんの成長を願う気持ち”です。
無理に伝統にこだわらず、家族みんながリラックスして、笑顔で祝える方法を選ぶことが大事ですよ。
おじいちゃん・おばあちゃんにお願いできるならそれもすてきですし、夫婦で交互に担当するというスタイルも楽しくておすすめです。
お食い初めの準備に必要なものと選び方
基本の献立とそれぞれの意味を紹介
基本の献立は「一汁三菜」といわれるもので、赤ちゃんの健康と幸せを願う意味が一つひとつの料理に込められています。
お祝い膳としてよく用意されるのは、以下のような料理です。
尾頭つきの魚（鯛が人気）
お祝いの席の定番である鯛は「めでたい」にかけられており、縁起物とされています。
尾頭つきの魚には「始まりから終わりまで無事に」という意味も込められているんですよ。
赤飯または白ごはん
赤飯は古くから魔除けや厄払いの意味があり、ハレの日の象徴とされています。
白ごはんでも代用可能で、地域や家庭によって好みが分かれます。
お吸い物
澄んだ出汁の味わいが特徴で、赤ちゃんが清らかに、心身ともに健やかに育つよう願いが込められています。
季節の具材を使うのもおすすめです。
煮物
- 人参
- 大根
- しいたけ
- 里芋
柔らかい食感や彩りもお祝いの席にぴったり。
香の物（漬物など）
ごはんのお供として味覚の幅を広げる役割があり、健康と食への興味を引き出す意味合いもあります。
彩りとしても食卓を華やかにしてくれます。
この基本セットをベースに、季節の野菜を取り入れたり、和菓子や果物を添えたりしてアレンジするのも素敵ですね。
また、すべて手作りしようとすると大変なので、最近では仕出し料理や通販のお祝い膳セットを上手に活用するご家庭も増えています。
お惣菜をうまく取り入れて、無理のない範囲で準備してみてくださいね。
食器の選び方とレンタル・代用品の活用法
お食い初めで使う食器は、正式には漆器でそろえるのが伝統的なスタイルです。
男の子は朱塗り、女の子は黒塗りの器が基本とされていますが、最近は性別にとらわれず、カラフルでかわいいデザインのセットも人気です。
ネットショップではお祝い専用の漆器セットが販売されていて、見た目が華やかで記念撮影にも映えます。
ただ、漆器を購入するのはハードルが高いという方には、レンタルサービスを利用する方法もおすすめです。
最近では1日単位で借りられるプランもあり、必要なときだけきちんとした器を用意できるので、とても便利です。
梱包も丁寧で返却も簡単なので、忙しいママにぴったりです。
また、気軽に行いたい場合は、おうちにある器やベビー食器で代用してもまったく問題ありません。
特に、最近はベビーランチプレートや離乳食用のプレートを活用するママも多く、子どもが成長したあとも使える実用的なアイテムとして人気です。
器の種類にこだわるよりも、気持ちを込めて準備することの方がずっと大切ですよ。
歯固めの石の入手方法と代用品について
「歯固めの石」は、赤ちゃんの丈夫な歯が生えそろうようにとの願いを込めて用意するアイテムです。
一般的には、お宮参りの際に訪れた神社で授与されることが多く、「歯固め石」や「お食い初めセット」として専用に授けてもらえる場合もあります。
事前に神社に問い合わせておくと安心です。
もし神社で用意がない場合は、きれいな川原石や庭の小石などを洗って使っても構いません。
手のひらサイズで丸みがあり、清潔であれば問題ありません。
最近では、ネットショップなどで歯固め石単品やセットが手に入ることもあります。
また、歯固め石の代用品として、梅干しやタコを使うご家庭もあります。
梅干しはシワがあることから「長寿」を、タコは「多幸（たこう）」につながる縁起物として親しまれており、どちらもお祝いの席にぴったりです。
無理なく、気持ちを込めて準備できるものを選んでみてくださいね。
自宅でお祝いするための工夫とコツ
写真や動画をきれいに残す撮影アイデア
赤ちゃんの成長の記録として、お食い初めの様子は写真や動画にしっかり残しておきたいですよね。
特別な日の思い出は、あとで見返したときにも心温まる宝物になります。
撮影は、できるだけ自然光が入る明るい場所で行うと、肌の色がきれいに映え、ナチュラルでやわらかな雰囲気になりますよ。
背景は、壁やカーテンなど無地のものを選ぶと料理や赤ちゃんが際立ちます。
お祝いの雰囲気を出すために、テーブルクロスを赤や白などの縁起の良い色にしたり、ちょっとした飾り（お花やフェルトの旗など）を取り入れるのも◎です。
撮影アングルとしては、料理全体を真上から写す“真俯瞰ショット”がとても人気です。
お皿の配置を整えたうえで撮ると、SNS映えもばっちり。
家族と赤ちゃんが一緒に写るショットや、食べさせる真似をしている場面など、ストーリー性のあるカットもおすすめですよ。
きょうだいがいる場合の対応と楽しみ方
兄弟姉妹がいると、下の子のお祝いばかりで退屈してしまうこともありますよね。
そんなときは、上の子にも特別な役割を用意してあげると、とっても喜んでくれます。
「お兄ちゃん用お膳」や「お姉ちゃんのサポート係」といった形で、主役を支える大事な存在として関わってもらうのがおすすめです。
たとえば、料理を運ぶお手伝いをしてもらったり、赤ちゃんに声をかける係になってもらうだけでも、「自分も大事にされている」と感じられるようになります。
ごほうびに、上の子にも好きなごはんやデザートを用意しておくと、もっと楽しく過ごせますよ。
また、写真や動画の中でも上の子の笑顔がしっかり残ると、あとで見返したときに「みんなでお祝いできたな」とうれしい気持ちになれるので、家族の記念日としての満足感もぐっと高まります。
ママの負担を減らす便利なサービスの活用術
最近は、ネットでお食い初め膳の仕出しを頼んだり、あらかじめセットされた料理やアイテムを購入できたりする便利なサービスが増えてきました。
これらのサービスを使えば、買い物や調理の手間を省けるだけでなく、見た目にも整ったお祝い膳が届くので、準備に追われることなく落ち着いてお祝いの日を迎えることができます。
仕出しの料理は、伝統的な献立をもとに美しく盛りつけられているものが多く、写真映えもばっちり。
セットには尾頭つきの鯛や赤飯、煮物、吸い物などがバランスよく含まれていることが多く、自分でひとつひとつ揃える必要がないのは大きな魅力です。
また、器や歯固め石もセットになっている商品もあり、「何を用意すればいいかわからない…」というママにもぴったり。
冷凍やチルドで届くタイプなら、前日に届いて冷蔵庫で解凍しておけば、当日は温めるだけで本格的なお祝いができますよ。
こうしたサービスを使うことで、時間や手間を節約しつつ、しっかりと気持ちのこもったお祝いをすることができます。
特に、上の子のお世話がある場合や、パパが忙しくて準備を手伝えない場合などには強い味方になってくれます。
無理せず、楽しみながら当日を迎えるためにも、こうした便利なサービスを上手に取り入れてみてくださいね。
まとめ：お食い初めは「気持ちを込める」ことがいちばん大切
お食い初めには
- 昔ながらのしきたり
- 細かいマナー
- 伝統的な流れ
「料理の品数がそろっていなくても」
「正式な器を使っていなくても」
「写真を撮り忘れてしまったとしても」
それでも家族みんなが笑顔で赤ちゃんを囲んでお祝いすることこそが、この行事の本質だといえます。
最近は、家庭のスタイルに合わせて自由にアレンジするご家庭も多く、無理なくできる範囲でできるだけ楽しく、リラックスして行うことが主流になってきています。
お食い初めは、何よりも「家族の愛情を形にして伝える時間」。
そのやさしい気持ちが赤ちゃんにもきっと伝わっていくはずです。
だからこそ、形式にとらわれすぎず、当日を楽しむ気持ちを大切にしてくださいね。
「これでよかったのかな？」と不安に思う必要はありません。
世界にたったひとつの、あたたかなお祝いをぜひご家族で作ってみてください。
