
お宮参りが近づいてくると、赤ちゃんの晴れの日を思い浮かべながら胸があたたかくなる一方で、ふとした瞬間に
「誰が仕切るのが正しいんだろう」
「両家の意見が違ったらどうしよう」
と、小さな不安がじんわり心に広がることがあります。
特に出産後は心も体も回復途中で、余裕があるように見えても揺れやすい時期なので、そんな迷いが生まれるのはとても自然なことなんです。
本当は赤ちゃんの健康を祈るだけの優しい行事のはずなのに、大人同士の価値観やしきたりの違いが重なると、思わぬ形で気を使ってしまったり相手の反応を必要以上に深読みしてしまったりするんですよね。
私自身も初めてのお宮参りの時には、準備のたびに「これで大丈夫かな」という小さな戸惑いが積み重なって。
気づけば肩に力が入りすぎてしまった経験があり、読んでいるあなたにも同じような緊張があるならそっと寄り添いたい気持ちでいっぱいです。
お宮参りは赤ちゃんだけでなく家族にとっても大切な節目だからこそ、不安をひとつずつ解きほぐして少しでも安心して当日を迎えられるように。
この記事では仕切り役の考え方や両家に配慮した決め方、当日までに準備しておきたいことなどを丁寧にまとめています。
どうかあなたが自分のペースで読みながら「これならできそう」と感じられますようにという気持ちを込めてお届けします。
仕切り役、誰が務める?お宮参りの“主催者”を明確にしよう
お宮参りは赤ちゃんのお祝いごとでありながら、
「誰が声をかけて」
「誰が流れを決めて」
「誰が当日まとめるのか」
という部分が曖昧なまま準備が進んでしまいがちです。
特に祖父母の思いが強かったり、地域ごとの習慣が違っていたりすると、知らないうちに気疲れしてしまうこともあります。
だからこそ、この段階でいちばん大切なのは「誰が主役で、誰が主催なのか」をそっと整理していくことなんですね。
ここが少し見えるだけで、行事全体が一気にスムーズになりますよ。
基本的には「両親」が主催だけど、家族の事情で変わることもある
多くの地域では赤ちゃんの両親が主催という形が一般的で、神社への予約や衣装の準備もパパとママが中心になって動くことが多いです。
ただ、出産後のママの体調や、赤ちゃんのお世話の大変さを考えると、すべてを完璧にしようとしなくていいんですよ。
祖父母が「準備を手伝いたい」と言ってくれることもありますし、逆に「親のときはこうだった」と昔の習慣を大事にするケースもあります。
それぞれの家族にそれぞれの歴史や優しさがあって、そこに正解はひとつではありません。
あなたの家庭にとって無理のない形を選ぶことこそ、当日の心地よさにつながります。
主催を“ゆるく”決めるだけでトラブルがぐっと減る
「主催ってしっかり決めなきゃいけないの?」と思われるかもしれませんが、そんなに肩に力を入れなくても大丈夫です。
ただ、ほんの少しだけ役割を共有することで、後々の「言った言わない」を防ぐことができます。
例えば
「神社の手配は私がやるね」
「食事会の場所はお母さんにお願いしてもいいですか」
といったように、ふわっとした形でも伝えておくと気持ちがずっと楽になります。
家族間の小さな行き違いって、ほとんどが“誰が決めるのか”が曖昧なときに起きるんですよね。
だから早めに、やさしくお互いの立場を確認しておくことが安心につながります。
昔ながらの習慣を大切にしたい祖父母の気持ちも理解しておく
お宮参りは古くから続く行事なので、祖父母の世代には「こうするもの」というイメージが強い場合があります。
悪気があるわけじゃなくて、ただ自分たちが歩んできた家族の形を大切にしたい気持ちがあるだけなんですよね。
「抱っこするのは父方の祖母が多かった」
「写真はこう撮った」
など、地域や家庭ごとにまったく違うルールがあるので、まずはその背景にある想いを知っておくと気持ちが少し軽くなります。
相手の正義や大事にしてきた価値観を知ることは、余計な衝突を避けるための優しい準備にもなります。
結局いちばん大事なのは「赤ちゃんとママの負担が少ないこと」
どの家庭にも事情があるとはいえ、お宮参りの中心にいるのは赤ちゃんとママです。
本来は「健康に育ちますように」と祈るだけで十分なのに、仕切り役の話になるといつのまにか周囲の期待に気持ちが追われてしまう人も多いんですね。
それでも、赤ちゃんの体調やママの回復具合を最優先に考えることが一番大切で、誰かのペースに合わせて無理に動く必要はありません。
「できる範囲でいい」「完璧じゃなくていい」と自分に言ってあげながら進めると、当日の幸福感がぐっと増えますよ。
両家の価値観がぶつかるとき:調整のコツと心構え
お宮参りの準備を進めていると、ふとした瞬間に両家の価値観がふわっと顔を出すことがあります。
どちらが悪いわけでもないのに、まるで育ってきた温度や景色の違いが並んでしまったように、意見のズレがじわっと生まれてしまうのです。
赤ちゃんのお祝いという幸せの場面なのに、心のどこかで「これ、どうやってまとめればいいんだろう」と不安が芽生える方もいます。
実際、私自身も初めての行事では同じような戸惑いを感じた経験があります。
そんなときほど、無理に形を整えようとせず、両家の背景や思いにそっと寄り添いながら調整していくことが大切になります。
まずは「夫婦がひとつの軸になる」ことを意識する
両家の価値観が食い違うとき、いちばん揺れやすいのは夫婦です。
気づけば、どちらかの親の言葉に引っ張られてしまったり、逆にどちらにも遠慮してしまったり、自分たちの考えが曖昧になることもあります。
だからこそ、まずは夫婦でしっかり話し合って「何を優先するか」という軸を作ることが安心につながります。
赤ちゃんと母親の負担にならないか、移動は現実的か、祖父母の年齢や距離感はどうかなど、事実ベースで整理すると落ち着いて判断しやすくなります。
夫婦の軸が決まると、両家に伝えるときも迷いが減り、気まずさを避けることができます。
相手の価値観の「理由」を知ると心の距離が近づく
食い違いが起きたとき、「どうしてそんなにこだわるのだろう」と不思議に感じることもあるかもしれません。
ただ、その背景にはその家族が歩んできた歴史や、大事にしてきた習慣が必ずあるものです。
父方は昔からその神社にお参りしてきた経験があるのかもしれませんし、母方は産後の体調や移動距離の負担を心配しているのかもしれません。
それを知るだけで、思った以上に誤解がほどけることがあります。
相手の希望を無条件に受け入れる必要はありませんが、「そう思う理由があるんだな」と理解してあげることが、調整をぐっと優しいものにしてくれます。
“どちらも大切にしたい”気持ちを言葉で伝えることが和解のきっかけに
両家の意見がぶつかると、無意識のうちに「どちらを優先するか」で考えてしまいがちです。
しかし本当は、どちらの家族も赤ちゃんのためを思ってくれているはずです。
そのことを丁寧に言葉にして伝えると、空気が驚くほど柔らかくなります。
「どちらの気持ちも大切にしたいから、こういう形にしたいと思っています」
そう伝えるだけで、相手は“拒否された”のではなく“大事にされた”と感じやすくなります。
この一言があるかどうかで、その後のやりとりの摩擦が大きく変わります。
どうしても決まらないときは“無理のない折衷案”が救いになる
お宮参りは一度きりの行事ですが、家族の関係はこれから先もずっと続きます。
そのため、どちらかが無理をして納得しないまま進めてしまうと、後になって気持ちが引っかかってしまうこともあります。
どうしても意見がまとまらないときは、両家に偏らない折衷案を検討してみると安心です。
赤ちゃんと母親の負担を減らすために近場の神社を選んだり、片方の希望の神社には後日写真を持って報告に行くなど、形はいくつもあります。
「どちらかの勝ち負け」ではなく「全員がなるべく心地よく参加できる方法」を模索することが、家族の未来にとっていちばん大切な視点です。
心に余白を持つことで、当日の雰囲気が大きく変わる
調整をしているとき、つい完璧を目指したくなります。
しかしお宮参りは赤ちゃんが主役であり、同時に家族みんなの節目です。
ただでさえ産後の生活は体力も心も揺れやすい時期ですから、「うまくいかなかったらどうしよう」と必要以上に自分を追い込まず、気持ちに余白を作ることが大切です。
多少のズレや想定外が起きても、それが後になって「そんなこともあったね」と家族の思い出話になることもあります。
調整する時間そのものも、家族が増えた喜びに向き合う大切な過程だと受け止めると、心の負担がふっと軽くなります。
家族で楽しむ工夫:祖父母や兄弟姉妹との温かい関わりを作る
お宮参りの日は、赤ちゃんにとっても家族にとっても特別な節目です。
けれど、当日を迎えるまでの準備に追われていると、つい“段取りをこなすだけの行事”になってしまいそうになることがあります。
本当は、祖父母が初めて長く赤ちゃんと過ごせる機会だったり、兄弟姉妹にとっては「家族が増えた」ことを実感できる瞬間だったりします。
だからこそ、形式だけではなく「家族として一緒に過ごす温度」を大切にしたいものです。
気持ちを少し柔らかくして工夫を加えるだけで、お宮参りはぐっと温かい時間に変わります。
祖父母との時間を“特別な役割”で作り出す
祖父母は赤ちゃんの誕生を心から喜んでくれる存在ですが、普段の生活の中では抱っこする機会が少なかったり、遠慮してしまったりすることがあります。
だからこそ、お宮参りでは
「赤ちゃんを抱っこするタイミングを作る」
「写真撮影で一緒に並ぶ時間を設ける」
など、自然に関われる役割をそっと渡すと距離が縮まりやすくなります。
祖父母の表情がふっとほころぶ瞬間は、見る側も胸が温かくなりますし、後から写真を見返したときにも家族の優しい記憶として残ります。
写真撮影は“巻き込みスタイル”が思い出を深める
当日の写真撮影は、ただ並んで撮るだけでは少し堅い表情になりがちです。
これは私自身も体験したことで、気づけば誰もが緊張していて「何の行事だったっけ?」と思ってしまうほどでした。
そこで、赤ちゃんを囲んで自然に話している様子を撮ってもらったり、兄弟姉妹が赤ちゃんの手をそっと握っている瞬間を撮影したりと、日常に近いシーンを残すと写真に温度が生まれます。
家族の“素の姿”こそが、後で宝物のような一枚になることがあります。
兄弟姉妹には小さな“主役の役割”を
上の子がいる場合、お宮参りはどうしても赤ちゃんに注目が集まります。
そのことで少し寂しさを感じてしまう子もいます。
だからこそ
「お守りを受け取る係」
「赤ちゃんの帽子を持つ係」
「家族写真で赤ちゃんの横に立つポジション」
など、小さな役割を渡すことで、参加している実感を持てるようになります。
自分も行事の一員なんだと感じられるだけで、表情が誇らしげに変わることもあるのです。
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)の力が必要だよ」と言われるだけで、胸を張ってお宮参りに向かう子も少なくありません。
家族みんなが“無理なく心地よく過ごせる空気”を整える
どれだけ準備を整えても、赤ちゃんや上の子の機嫌は読めませんし、祖父母が長時間の外出で疲れやすいこともあります。
だからこそ、スケジュールには少し余白を持たせておくことが大切です。
「これもできたら素敵だな」くらいの気持ちで、完璧を求めないと心のゆとりが生まれます。
休憩できる場所を事前に確認しておいたり、授乳スペースを把握しておいたりと、ちょっとした配慮が家族全体の安心につながります。
当日、ふと祖父母が赤ちゃんを見つめて微笑む瞬間や、兄弟がこっそり赤ちゃんに触れようとする仕草に気づけるのは、こうした余白があるからこそです。
準備と役割分担:夫婦と祖父母で無理なく進めるために
お宮参りの準備は、やることを書き出してみると意外と多くて、初めての場合は特に「これ、どうやって全部まわせばいいんだろう」と不安が重なることがあります。
そんなときほど大切なのは、夫婦だけで抱え込まず、祖父母とも協力しながら無理のないかたちで役割を分け合うことです。
赤ちゃんのお祝いというだけでなく、家族みんなで赤ちゃんを迎え入れていく準備でもあるからこそ、一人が背負うのではなく「みんなで整えていく」視点が心の余裕につながります。
夫婦で“できること”を明確にしておくと準備がスムーズ
準備を始めるとき、最初に意識したいのは夫婦で役割をざっくりと決めておくことです。
とくに産後すぐの時期は、母親は体調や睡眠が安定しないことも多いため、父親が
「スケジュール調整や神社の予約」
「当日の移動手段の確認」
など“外まわりの準備”を担当すると負担が軽くなります。
一方で、赤ちゃんの服装や持ち物など“赤ちゃん側の準備”は母親が把握していることが多いので、その知識をもとに必要なものを一緒に確認しながら準備を進めると安心です。
どちらか一方だけが頑張るのではなく、自然に補い合うことが大切です。
祖父母には“お願いしやすいこと”から頼むと協力が得やすい
祖父母に協力してもらいたいとき、つい遠慮してしまうこともありますが、「できる範囲でお願いしたい」という気持ちを丁寧に伝えるだけで受け入れてもらいやすくなります。
例えば当日の写真撮影の補助や赤ちゃんの荷物を少し持ってもらうこと、移動時にサポートしてもらうことなど、大きな負担にならない役割からお願いするのがおすすめです。
祖父母は孫のお祝いに関われること自体を喜んでくれることが多く、「頼ってもらえた」という気持ちが協力の力にもつながります。
事前の“ミニ打ち合わせ”が当日のバタつきを防ぐ
当日慌ててしまう原因のひとつは、家族で情報を共有しないまま迎えてしまうことです。
事前に短い時間でも夫婦や祖父母と
「当日の流れ」
「移動手段」
「天気による変更点」
などを軽く確認しておくと安心できます。
例えば
「ご祈祷は〇時で、そのあと写真撮影」
「昼食は△△で予約済み」
など簡単に共有しておくと、当日の移動が驚くほどスムーズになります。
また、不測の事態が起きたときにも、家族全体が同じ認識を持っていると柔軟に対応しやすくなります。
“休憩の選択肢”を用意しておくことで家族全員が楽になる
赤ちゃんはもちろん、産後まもない母親や高齢の祖父母にとって長時間の外出は思った以上に負担が大きいものです。
だからこそ、近くに休憩できる場所があるか、授乳スペースがどこにあるかなど、少し先回りして確認しておくと安心です。
必要になったときに「じゃあ少し休もうか」と言える余白があることが、家族みんなの体力と気持ちを守ってくれます。
無理をしない選択肢を準備しておくことで、お宮参りがより穏やかで温かい時間になります。
参加できない家族がいるときのフォロー:心をつなぐ工夫
お宮参りは家族にとって大きな節目ですが、仕事や体調、距離の問題などでどうしても参加できない家族が出ることがあります。
本当は一緒に祝いたいのに、それが叶わない寂しさは、伝える側にも受け取る側にもそっと残ります。
だからこそ、ただ「来られなかった」で終わらせるのではなく、「あなたの存在もちゃんとこの日を支えてくれていましたよ」と温度のある形で気持ちを届けることが大切になります。
小さな工夫を積み重ねるだけで、離れていても家族の心はしっかりつながります。
写真や動画を“その日の空気ごと”届ける
参加できなかった家族に写真や動画を送るとき、ただ記録を渡すだけだと少し事務的に見えてしまうことがあります。
そこに
「赤ちゃんがこの瞬間こんなふうに笑っていたよ」
「このお守りを受け取るときに少し泣いちゃったけどすぐ落ち着いたよ」
など、短くてもその場の空気を添えて渡すと、気持ちがぐっと伝わります。
映像の中の赤ちゃんや家族の表情は、その人にとって宝物のような時間になります。
なので、距離があっても「同じ日に参加できた」と感じてもらいやすくなります。
オンライン参加で“同じ時間を共有する”
最近はオンライン通話が手軽になったことで、お宮参り当日に顔をつないで「少しだけ同席」してもらうケースも増えています。
数分でも画面越しに赤ちゃんの姿を見るだけで、参加できなかった家族にとって大きな喜びになります。
ご祈祷の前後や写真撮影の合間に少し時間を作り、「いまこんな感じだよ」と様子を伝えることで、一緒にその日を迎えている感覚が深まります。
画面の向こうで涙ぐんでしまう祖父母も少なくありません。
後日改めて“お披露目の時間”を作る
当日参加できなかった家族には、別日に改めて赤ちゃんをお披露目する機会を作るのもおすすめです。
小さな食事会や自宅でのお祝いでも問題ありません。
「あの日来られなくて残念だった」という気持ちを埋める時間になり、家族としてのつながりがより深まります。
記念写真を一緒に見ながら話す時間は、距離や状況に関係なく心を寄せ合える温かい瞬間になります。
気持ちを込めた“ささやかな贈り物”で感謝を伝える
お宮参りのお守りや写真を添えて、参加できなかった家族へ贈り物として渡すのも喜ばれます。
「あなたにも一緒に見守ってほしい」というメッセージを込めてお守りを選ぶだけで、離れていてもつながりがしっかり感じられます。
贈る側も、相手が受け取ったときの笑顔を想像すると自然と気持ちが温かくなるものです。
“来られなかった後ろめたさ”までそっと受け止める
参加できなかった家族は、自分では言わなくても「行けなくてごめんね」と心のどこかで思っていることがあります。
そんな気持ちを軽くするためにも
「無理しなくてよかったよ」
「おかげでゆったり過ごせたよ」
と一言伝えてあげると、心がふっとほどけます。
お宮参りは家族の優しさが試される日でもあり、離れていてもその思いやりが関係を優しくしてくれます。
お祝い金と費用の考え方:家族が気持ちよく参加できるために
お宮参りの準備を進めていると、多くの家庭で静かに話題に上がるのが
「お祝い金はどうする?」
「費用は誰がどれくらい負担する?」
という部分です。
お金の話は誰にとっても少し気をつかうテーマで、本音を言いづらいまま進めてしまうと後で心に引っかかりが残ってしまうことがあります。
だからこそ、お宮参りを“気持ちよく迎えるための調整”として、柔らかく穏やかに話し合っておくことが大切になります。
決して決まりごとに当てはめる必要はなく、家族それぞれの状況に寄り添いながら進めていくことが安心につながります。
お祝い金は“地域差や家庭の考え方”を尊重しながら柔軟に
一般的には祖父母がお祝い金を包むケースが多いと言われていますが、地域によって相場が違ったり、家庭ごとに大切にしてきたやり方があります。
誰がいくら出すかよりも、「お祝いしたい気持ちがあるか」という部分が本質なので、金額にこだわりすぎる必要はありません。
例えば祖父母がまとまった額を包んでくれる家庭もあれば、両親が用意して祖父母は別の形でお祝いをしてくれる家庭もあり、それぞれのやり方がどれも間違いではありません。
家庭の事情に合わせて無理のない形を選ぶことが、心地よいスタートになります。
費用分担は“事前に軽くすり合わせる”だけで安心感が変わる
お宮参りには、
「ご祈祷料」
「衣装代」
「写真撮影」
「食事会」
など予想以上に細かい費用が発生します。
だからこそ、「誰がどこまで負担するのか」を早めにざっくり決めておくと後がスムーズです。
例えば、ご祈祷料は両親が負担し、食事会は両家で折半する家庭もあれば、祖父母が一部を負担してくれる家庭もあります。
正解はひとつではなく、関わる人の負担が大きくなりすぎないことがいちばん大切です。
「これくらいなら無理ないよ」と言える範囲で調整するだけで、当日の雰囲気も驚くほど穏やかになります。
金額よりも“気持ちの温度”を大切にする
家族であっても、お金に対する価値観はそれぞれ違います。
だからこそ、お祝い金や費用分担の話をするときほど、相手の背景を思いやる気持ちが大切になります。
祖父母が包んでくれたお祝い金には、その家庭の思い出や歴史が乗っていることもあり、額面では測れない温かさがあります。
たとえ金額が多くなくても、「その気持ちが本当に嬉しかった」と言えるだけで、関係はぐっと優しくなります。
お礼は“少し丁寧”なくらいがちょうどいい
お祝い金をいただいたり、食事代を負担してもらったりした際には、当日の「ありがとう」だけで終わらせず、後日あらためて感謝を伝えると丁寧な印象になります。
写真を添えてお礼の言葉を送る家庭も増えていて、受け取る側にとってはその一言がとても嬉しいものです。
「無事に終わりました」という報告に赤ちゃんの笑顔が加わると、贈ってよかったという気持ちがより深まります。
赤ちゃんと家族のために:当日を快適に過ごすための工夫
お宮参りの当日は、赤ちゃんにとっても家族にとっても大切な一日だからこそ、できるだけ穏やかで心地よく過ごせる環境を整えてあげたいですよね。
私は初めてのお宮参りの日、朝からなんとなくそわそわしてしまって「忘れ物してないかな」「赤ちゃん泣かないかな」と胸がぎゅっとしていたのを今でも覚えています。
お祝いごとなのに、ほんの少しの不安があるだけで心がふわふわ落ち着かなくなるあの感じ。
そんな気持ちが少しでも和らぐように、当日を穏やかに迎えるための工夫をお伝えしていきます。
赤ちゃんのコンディションを最優先にする
当日いちばん大切なのは、赤ちゃんのご機嫌と体調です。
ご祈祷の時間や写真撮影は、どうしても大人のスケジュール中心になりがちです
。
でも赤ちゃんは大人のペースに合わせることはできないので、眠る時間や授乳のタイミングなどをある程度予想しながら、無理のない時間帯を選ぶことが安心につながります。
私は当日、たまたま授乳直後で赤ちゃんがぽかぽか眠ってくれていて救われたのですが、逆にお腹がすいているときだったら間違いなく大変な一日になっていたと思います。
赤ちゃんのペースを中心に考えてスケジュールを調整するだけで、心の余裕が全然違ってきます。
持ち物は“少し多いかな”くらいでちょうどいい
お宮参りは短時間の行事ですが、赤ちゃんとの外出は想像以上に小さなトラブルが起こりやすいものです。
「おむつ」
「おしりふき」
「着替え」
「ミルク」
「タオル」
「おくるみ」
など、普段よりも少し多めに準備しておくだけで「何が起きても対応できる」という安心感が生まれます。
私は「念のため」と思って多めに入れておいたタオルが大活躍したことがあって、あの日ほど持ち物の大切さを痛感した日はありませんでした。
準備が整っていると、余計な心配をせずに赤ちゃんの表情に集中できます。
当日の移動は“とにかくラク”を優先する
赤ちゃんを連れての移動は、距離だけでなく温度差や騒音など小さな刺激にも左右されます。
神社まで車で行くのかタクシーを使うのか、駐車場は近いか、道の混雑はどうかなど、事前に確認しておくと安心です。
特に夏や冬は気温の変化で体調を崩しやすいので、外気温に触れる時間ができるだけ短くなるようなルートを考えるだけでも、赤ちゃんの負担はぐっと軽くなります。
私は夏の暑い日に参拝したとき、駐車場から本殿までの距離が思ったより長くて、赤ちゃんも私も汗だくになってしまった経験があるので、下見の大切さを心の底から痛感しました。
写真撮影は“焦らない”がいちばん
お宮参りと言えば写真撮影も大切な思い出のひとつですが、赤ちゃんが泣いたり寝てしまったりすると予定がずれてしまうこともあります。
そんなとき「いい写真を撮らなきゃ」と焦ってしまうと、大人の表情までぎこちなくなるので、撮影はゆっくりとした気持ちで構えるのがおすすめです。
赤ちゃんの自然な表情って、大人の心が落ち着いているときのほうが不思議と引き出されやすいんですよね。
私は後から写真を見返したときに「焦ってる顔してるなあ」と自分で笑ってしまったことがあり、それ以来は肩の力を抜いて楽しむようにしています。
母親の体調に寄り添う準備をする
出産後の体は、見た目以上に回復途中です。
長時間の移動や無理な姿勢が続くと、産後の体に負担がかかることがあります。
できれば座れるスペースや休憩できる場所を事前に確認しておくと安心です。
周りに「ちょっと休憩させてね」と言いやすい空気をつくることも大切で、家族が気遣ってくれるだけで気持ちがふわっと軽くなるものです。
私もお宮参りの日、ほんの数分椅子に座らせてもらっただけで体がふわっと楽になった経験があり、無理をしない大切さを身に染みて感じました。
両家が参加できないときの工夫:思いを届ける方法
お宮参りを計画していると、どうしても全員が揃えないことがあります。
「遠方に住んでいて移動が難しかったり」
「お仕事や体調の都合で参加できなかったり」
理由はさまざまですが、誰かが欠席するとなると「申し訳ないなあ」と胸の奥がもやっとしてしまうこともあると思います。
私自身も、お宮参りの日に家族の誰かが来られなかったことが理由でちょっと寂しい気持ちになった経験があって。
その一方で「どうにか気持ちだけでも届けたいよね」と思って工夫したことがありました。
参加できるかどうかより、気持ちをどう丁寧に届けるかという視点で考えるだけで、家族同士のつながりはもっとやわらかく温かいものになります。
オンラインでつながるだけで“参加している感”が生まれる
今はスマートフォンひとつで簡単にビデオ通話ができるので、リアルタイムでお宮参りの雰囲気を届けることができます。
ご祈祷の場面は神社のルールもあるので撮影できないことが多いですが。
その前後の様子や写真撮影のタイミングなど、少しでもその場の空気が伝わると参加できなかった家族も嬉しい気持ちになります。
「赤ちゃん今こんな表情してるよ」
「今日こんな服を着てるよ」
と映像越しに伝えるだけで、一緒にお祝いしている感覚が生まれるんですよね。
私も後日ビデオ通話をつなぎながら写真を見せたのですが、思った以上に喜んでくれて、あの時間は今でも大切な思い出です。
後日ゆっくりと“お披露目の時間”をつくる
お宮参り当日に参加できなかった場合、後日あらためて赤ちゃんのお披露目を兼ねた時間をつくるのもおすすめです。
自宅に招いたり、相手の家を訪問したりするだけでも、お宮参りとは違った和やかな交流ができます。
お宮参りの写真を見せながらその日の出来事を話すと、まるで一緒にその場にいたような気持ちになれるんですよね。
特に祖父母にとっては「会える」が何よりも嬉しいので、短い時間でも顔を見せに行くことは思っている以上に大切なプレゼントになります。
写真や動画をまとめて“アルバム”として届ける
最近はスマホで撮った写真でも簡単にフォトブックが作れるようになっているので、当日の写真をまとめてミニアルバムを作る家庭も増えています。
ページを開くたびにその日の思い出がよみがえり、離れて暮らす家族にとっては宝物のような存在になることがあります。
動画を少し編集してメッセージを添えるだけでも、ぐっと特別感が増します。
「あなたのことを思いながら準備したよ」という気持ちは、形にすることでより優しく伝わります。
お宮参りの記念品やお守りを贈って気持ちを届ける
神社で授かったお守りや記念品を、参加できなかった家族へ渡すのも素敵な方法です。
物に気持ちが宿るというわけではありませんが、お宮参りの日に家族が赤ちゃんを思ってくれた時間や温度がそのまま伝わっていくような感覚があります。
私はお守りを渡したときに「来られなくて残念だったけど、気にかけてくれてありがとうね」と言われたのがすごく温かくて、その言葉を聞いた瞬間に胸がじんとしました。
参加したかどうかより、こういう心のやりとりが大切なんだなと実感した瞬間でした。
まとめ
お宮参りは赤ちゃんの健やかな成長を願う大切な行事でありながら、実際に準備してみると想像以上に気を遣う場面が多くて戸惑うことがあります。
「両家の距離感や価値観の違い」
「参加できる人とできない人への配慮」
「当日の段取りや写真撮影の雰囲気づくり」
など、どれも「正解がない」からこそ悩みやすく、その分だけ心がふわふわと落ち着かない時間が続くこともあると思います。
私自身も初めてのお宮参りのときは、両家の意向の微妙な違いに戸惑ったり、誰にどのタイミングで声をかけるべきか悩んだりして、
「お祝いのはずなのに気疲れしちゃうな」
そんなふうに感じた瞬間がいくつもありました。
それでも最終的には、赤ちゃんを中心に家族全員が少しずつ歩み寄った結果、穏やかであたたかい一日になりました。
その経験を思い返すたびに、行事の形よりも「その日をどう感じたいか」という気持ちのほうが大切だったのだと気づかされます。
家族の価値観の違いは避けられないものですが、その違いがあるからこそ対話が生まれ、互いを理解するきっかけにもなります。
たとえ意見が食い違ったとしても、相手の事情や背景にそっと目を向けられたとき、そこにあるのは不思議なやわらかさで、心の距離がすっと近づくような感覚があります。
参加できない家族がいたとしても、オンライン通話や後日のお披露目の時間、写真やお守りを通じて思いを届けることができます。
大切なのは「どう参加したか」よりも「その日を心のどこに置いておくか」であり、離れていても気持ちはちゃんと伝わります。
お宮参りは人生の中でもほんの一瞬の出来事ですが、家族にとってはこれから続いていく長い育児のはじまりを象徴する特別な日でもあります。
完璧である必要はなく、むしろ不器用なまま手探りで進んだ時間こそが後からじんと心を温めてくれる思い出になります。
赤ちゃんを囲んで家族が笑い合えたこと、それだけで十分すぎるほどの素敵な一日になっています。
どうかあなたのお宮参りが、たくさんの優しさと安心に包まれたものになりますようにと心から願っています。



