
初節句の飾りって、結局どっちの親が買うのが正解なんだろう…って、ふと手が止まりますよね。
雛人形や兜、鯉のぼり。
可愛い我が子のためのものなのに、「母方が買うものらしい」とか「いやうちの地域は父方だよ」とか、聞けば聞くほど分からなくなる。
しかも相手は実家と義実家。
お金の話だけに、どう切り出せばいいのか余計に気をつかってしまう…そんなモヤモヤを抱えていませんか?
先に、いちばん安心できる答えからお伝えしますね。
初節句の飾りを誰が買うかに、絶対の正解はありません。
昔は母方の実家が用意することが多かったのですが、今は両家で相談して決めるご家庭がぐんと増えています。
母方が買っても、父方が買っても、両家で折半しても、あなたたち夫婦が選んで援助してもらっても、どれも失礼にはなりません。
だから、「常識を知らないと思われたらどうしよう」なんて、焦らなくて大丈夫。
むしろつまずきやすいのは、誰が買うかそのものより、両家が良かれと思って別々に買ってしまい、人形が二つ届くといった”すれ違い”のほう。
これも、あなたたち夫婦が間に入って早めにひと声かけるだけで、きれいに防げます。
この記事では、伝統の話から、我が家に合った決め方、費用やサイズ、そして両家に角を立てない頼み方のセリフまで、順番に一緒に見ていきます。
読み終わるころには、「あ、これなら相談できそう」と肩の力が抜けているはずですよ。
この記事でわかること
- 初節句の飾りは誰が買うのが一般的なのか
- 我が家にいちばん合う4つの決め方と選び分け
- 費用やサイズ、のしなど準備の基本
- 両家に角を立てない相談の切り出し方
初節句の飾りは誰が買っても失礼にはならない
「母方が買うのが常識」と一度は耳にして、ちょっと身構えてしまった方もいるかもしれません。
でも安心してください。
今は誰が用意しても角が立たない時代になっています。
ここでは、なぜそう言い切れるのかを、昔ながらの由来、地域ごとの違い、そして今どきの主流という3つの角度から、ひとつずつほどいていきますね。
もともと母方が用意してきた由来
「母方が買う」という話には、ちゃんと理由があります。
昔は娘がお嫁に行くと、なかなか実家に帰れませんでした。
そこで母方の親が、雛人形や五月人形を用意することを口実に、娘や孫に会いに行っていたんですね。
節句飾りは「会うためのきっかけ」でもあったわけです。
つまりこれは、当時の家のしくみや暮らし方に合わせた習わし。
今のように気軽に行き来できて、写真もビデオ通話もある時代とは前提がまるで違います。
だから「母方が買うのが正しい」のではなく、「昔はそういう事情があった」と受け止めるくらいがちょうどいいんです。(由来を知ると、ちょっと肩の力が抜けますよね)
地域によって母方か父方かが変わる
さらにややこしいのが、地域によって考え方が違うこと。
ざっくり言うと、西日本では母方が用意することが多く、関東や東日本では父方が五月人形を用意するという風習が残っている地域もあります。
関東では「雛人形は母方、五月人形は父方」と分け合うという話もあって、調べる情報源によって書いてあることが違うのも珍しくありません。
ここで大事なのは、どれが正解かを探すことではなく、ご両家それぞれに「当たり前」が違うかもしれないと知っておくこと。
お互いの実家の出身地が離れていると、片方では常識でも、もう片方では「えっ、そうなの?」となることがあります。
これを先に分かっているだけで、後のすれ違いをずいぶん減らせます。
今は両家で相談して決める家庭が増えている
では実際のところ、今はどうなのでしょう。
ある調査では、初節句をお祝いする家庭はおよそ9割。
お祝いやプレゼントを贈ってくれた相手は、ママ側の両親が約8割、パパ側の両親も6割近くという結果が出ています。
母方が中心になりつつ、父方もしっかり関わっているのが、今のリアルな姿なんですね。
最近は、両家で費用を折半したり、お祝い金だけを援助してもらって人形は夫婦が選んだり、と形はさまざま。
住まいや予算に合わせて柔軟に決める家庭が当たり前になっています。
だからこそ、伝統の一語に縛られる必要はありません。
あなたの家にとって無理のない形こそが、いちばんの正解なんです。
実際に人形専門店の解説をいくつも見比べてみると、地域差の説明が店ごとに少しずつ違っていて、”これが全国共通の正解”と言い切れるものはありませんでした。
だからこそ、ご自身のご両家の感覚をいちばんの基準にして大丈夫です。
我が家に合う初節句の決め方が見つかる3パターン
誰が買ってもいい、と言われると、逆に「じゃあ我が家はどうすれば?」と迷ってしまいますよね。
そこで、実際によくある決め方を3つのパターンに分けてご紹介します。
どれが上で、どれが下ということはありません。
ご両家の出身地や予算、お住まいに当てはめて、しっくりくるものを選ぶ感覚で読んでみてください。
母方が人形を用意し父方はお祝いで支える形
いちばんオーソドックスなのが、母方が人形を用意して、父方は食事会やお祝い金で関わる形です。
昔ながらの流れに近いので、ご両家とも同じ地域の出身で「うちはこういうものだよね」と感覚が揃っているなら、いちばん角が立ちにくい王道といえます。
ポイントは、父方を蚊帳の外にしないこと。
人形は母方にお願いするとしても、「お食事会はぜひ一緒に」「写真を撮りましょう」と声をかけておくと、父方も自然とお祝いの輪に入れます。(片方だけが張り切る形になると、あとからちょっと気まずいんですよね…)
役割が違うだけで、どちらも大切なお祝いの担い手。
そう伝わるようにしておくと安心です。
両家の出身地が違うなら折半で公平にする形
ご主人とあなたの実家が、関東と関西のように離れている場合。
これは両家で費用を折半するのがすっきりします。
「どちらの家のしきたりに合わせるか」で悩まずに済みますし、負担も気持ちも半分ずつ。
どちらの親にも「自分たちも孫のお祝いに関われた」という満足が残ります。
最近は、両家から同じくらいの金額を出し合って、人形は夫婦が好きなものを選ぶというスタイルも増えています。
「公平さ」が見えると、両家の関係はぐっと穏やかになるもの。
金額をぴったり揃える必要はありませんが、片方に大きく偏らないようにだけ気を配っておくと、後々まで気持ちよくいられます。
夫婦が間に入って二つ買いを防ぐ形
そして、これからの定番になりそうなのが、あなたたち夫婦が間に入り、品物を決めてから両家に援助をお願いする形です。
マンション住まいでサイズに制約があるときや、好みのデザインがはっきりしているときに特に向いています。
先に夫婦で「これ」と決めておけば、サイズや雰囲気で後悔することもありません。
ここで絶対に避けたいのが、相談せずに両家がそれぞれ用意してしまうこと。
可愛い孫のためにと、両家が良かれと思って動いた結果、兜が二つ、雛人形が二つ…なんて事態は実際に起きています。
飾る場所もしまう場所も倍。
それがきっかけで両家がぎくしゃく、なんてことになったら本末転倒ですよね。
もう一つやりがちなのが、勢いで豪華な段飾りを選んでしまい、いざ飾ろうとしたら部屋に入りきらないパターン。
大きさは「飾れるか・しまえるか」を必ず先に考えてから決めましょう。
我が家は夫の地元と私の地元が離れていたので、思いきって折半をお願いしました。
最初は「お金の話を切り出すなんて図々しいかな」と緊張したのですが、「両家にバランスよく関わってほしくて」と伝えたら、どちらの親もホッとした表情で。
今思えば、早めに相談して本当によかったです。
飾りを選ぶ前に押さえたい費用とサイズの話
誰が買うかが見えてきたら、次に気になるのが「いくらくらいかかるの?」「どのサイズを選べばいいの?」というところ。
ここを先にざっくり共有しておくと、両家のあいだで金額やイメージがズレるのを防げます。
お金とサイズ、そして渡し方のマナーを、肩肘張らずに見ていきましょう。
人形やお祝い金のおおよその相場感
まず人形のお値段。
雛人形や兜などの節句飾りは、5万円前後から30万円を超えるものまで幅広く、人気の中心は7万〜15万円ほどといわれています。
素材や大きさ、収納のしやすさで価格が変わるので、「いくらが正解」というより、無理のない範囲で選べば大丈夫です。
祖父母からのお祝い金は、もっと幅があります。
お祝い金だけを渡す場合と、人形代として渡す場合で意味が変わるためで、家庭によっては数万円から、人形購入を前提にすると十数万円以上になることも。
親戚や知人からは5千〜1万円程度が目安とされています。
あくまで幅のある話なので、「我が家はこのくらい」と両家でゆるく揃えておくと安心です。
| 誰から | おおよその目安 |
|---|---|
| 祖父母(お祝い金のみ) | 数万円〜十数万円ほど |
| 祖父母(人形代として) | 十数万円〜数十万円ほど |
| 親戚・知人 | 5千〜1万円ほど |
飾る場所と収納から考えるサイズ選び
お値段と同じくらい大事なのが、サイズです。
実は今、大きな段飾りより、コンパクトなタイプを選ぶ家庭のほうが主流になっています。
マンションやアパートでも飾りやすく、出し入れもラクだからです。
選ぶときは、飾る場所と、しまう場所の両方をイメージしてみてください。
チェストの上にちょこんと置ける親王飾り、収納箱がそのまま飾り台になる収納飾り、ほこりを防げるケース飾りなど、省スペースの選択肢はたくさんあります。(毎年のことなので、「出すのが億劫…」にならないサイズ感、けっこう大事です)
豪華さよりも、毎年ちゃんと飾ってあげられるかを基準にすると、後悔がありません。
のしや渡す時期などの基本マナー
最後に、ちょっとした作法も押さえておきましょう。
お祝いを包むときの水引は、何度あってもうれしいお祝いに使う紅白の蝶結び。
表書きは「初節句御祝」や「御祝」とし、下に贈り主の名前を書きます。
金額が大きいほど、袋も少し立派なものを選ぶとバランスが取れます。
渡す時期にも目安があります。
人形などの節句飾りは、節句のおよそ1か月前に届くように手配するのが安心。
お祝い金や品物は、お祝いの食事会の当日に渡すのが一般的で、食事会をしない場合は節句の2週間前ごろに渡します。
飾りは前日に慌てて出すよりも、少し早めに出してゆっくり楽しむほうが、気持ちにも余裕が生まれますよ。
お祝いのあとに慌てないための準備
飾りを誰が買うかが決まると、つい「これで一安心」と思ってしまいますが、実はそのあとにもちょっとした疑問が待っています。
「お返しはどうする?」
「人形は兄弟で使い回していいの?」
「二人目はどうしよう?」
ここで先回りして解消しておけば、お祝いのあともバタバタせずに済みますよ。
お返しは食事会への招待が基本
祖父母から人形やお祝い金をいただくと、「お返しをしなきゃ」と身構えてしまいますよね。
でも、祖父母へのお返しは、基本的に品物を用意しなくて大丈夫です。
初節句のお祝いの席に招いて、一緒に食事を囲むこと。
それ自体がお返しの代わりになると考えられているんです。
ですから、両家の祖父母を食事会に招いておもてなしすれば、それでお礼の気持ちは十分に伝わります。
もし食事会をしない場合や、遠方で来られなかった方には、節句のあと1週間から1か月以内を目安に内祝いを贈ると丁寧です。
のしの表書きは「内祝」や「初節句内祝」とし、下にはお子さんの名前を入れます。
親戚や知人からいただいた場合も、同じようにお返しを考えておくと安心ですね。
人形は一人一つという考え方とお下がり
意外と知られていないのが、節句人形の意味です。
雛人形も五月人形も、もともとはその子の厄を引き受けてくれる「お守り」や「身代わり」とされてきました。
この考え方を大切にするなら、人形は一人に一つずつ用意するのが基本、ということになります。
そうなると気になるのが、上の子のお下がりや兄弟での共有ですよね。
「お守りだから一人一つ」という立場では、お下がりは厄を引き継ぐことになるので避けたほうがいい、とされます。
一方で、行事として親子で楽しむことを大切にするなら、共有でも問題ないという考え方もあります。(このあたりは、どちらが正解というより家庭の価値観しだい、なんですよね)
ご両家の考えも聞きながら、納得できる形を選べば大丈夫です。
二人目には名前旗やつるし雛という選択肢
「一人一つがいいのは分かったけど、二つ目の人形を置く場所も予算も…」という現実的な悩みもありますよね。
そんなときに心強いのが、名前旗やつるし雛といった、省スペースの節句飾りです。
名前旗は、お子さんの名前や生年月日を刺繍した小さな旗。
「この子のために用意したもの」という特別感が出るので、二人目以降のお祝いにぴったりです。
つるし雛は、小さな人形をいくつも吊るした厄除けの飾りで、チェストの上に置ける省スペースタイプもあります。
立派な人形をもう一つ、と気負わなくても、その子だけの飾りをちゃんと用意してあげられる。
そう思うと、ぐっと気持ちが軽くなりませんか。
両家に角を立てず円満に決める相談の進め方
ここまで読んでくださったあなたなら、もう「誰が買うか」そのものには、それほど身構えなくなっているはずです。
いちばん大切なのは、答えを一つに決めることではなく、あなたたち夫婦が間に入って、早めに相談を始めること。
最後に、両家に角を立てずに話を進める具体的なコツをお伝えします。
まず夫婦で希望をすり合わせておく
両家に声をかける前に、まずは夫婦ふたりで方向性を決めておきましょう。
サイズはどのくらいがいいか、予算感はどうか、どちらの実家にどんな形で関わってもらいたいか。
夫婦の足並みが揃っていると、両家への伝え方がぐっとスムーズになります。
ここで大事なのは、ご主人にも当事者になってもらうこと。
お互いの実家への相談は、それぞれが自分の親に話すほうが、角が立ちにくいものです。(義実家への切り出しを一人で抱え込むと、しんどいですからね)
「私の親には私から、あなたの親にはあなたから」と役割を分けておくだけで、気持ちがずいぶん楽になります。
早めに両家へ声をかけて二つ買いを防ぐ
方針が決まったら、とにかく早めに声をかける。
これが二つ買いを防ぐいちばんの近道です。
可愛い孫のためにと、祖父母が先に動いてしまうことは本当によくあります。
気づいたときには両家がそれぞれ用意していた、なんて事態を避けるためにも、「考え始めたよ」の一報は早いほど安心です。
声をかけるタイミングは、節句の数か月前が目安。
人形は1か月前に届くよう手配するのが安心なので、それより前に相談を済ませておけば余裕を持って選べます。
「まだ早いかな」と思うくらいでちょうどいい、と覚えておいてください。
そのまま使える頼み方の言い回し例
とはいえ、お金がからむ相談はやっぱり切り出しにくいもの。
そこで、そのまま使える言い回しをいくつか用意しました。
気負わず、こんな雰囲気で十分です。
- 人形のことなんですが、置き場所のこともあるので、両家で一度ご相談させてもらえたら嬉しいです
- せっかくなので、サイズや予算も含めて一緒に決められたらと思って
- 私たちはこのくらいのサイズで考えていて、もしよければお祝いという形で力を貸してもらえたら嬉しいです
そうすれば、祖父母も「出しゃばりすぎかな」と遠慮せずに、気持ちよくお祝いに参加できます。
お金の話を切り出すのは勇気がいりますが、あなたが間に立って早めに動けば、両家はきっと「相談してくれてよかった」と感じてくれますよ。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 初節句の飾りを誰が買うかに、絶対の正解はありません
- 昔は母方の実家が用意することが多く、それは娘や孫に会う口実でもありました
- 母方か父方かは地域によって考え方が変わり、情報源によっても説明が異なります
- 母方が買う・父方が買う・両家で折半・夫婦が選んで援助、どの形でも失礼にはなりません
- 両家が別々に用意する二つ買いは、早めの相談でしっかり防げます
- 人形やお祝い金の相場には幅があり、家庭の事情で変わって当然です
- サイズは豪華さより、飾れるか・しまえるかを優先して選ぶと後悔しません
- 祖父母へのお返しは食事会への招待が基本で、欠席の方には内祝いを贈ります
- 人形は一人一つが基本で、二人目には名前旗やつるし雛という選択肢もあります
- いちばん円満なのは、夫婦が間に入って早めに相談を始めることです
我が子の健やかな成長を、両家みんなで気持ちよく願えること。
それがいちばんのお祝いの形ですよね。
伝統はやさしい目安として受け取りつつ、最後はあなたの家にとって無理のない決め方を選んで大丈夫です。
お金の話を切り出すのは、やっぱり少し緊張するもの。
でも、あなたが間に立って「一緒に決めたいな」とひと言かけるだけで、両家はきっとホッとした顔を見せてくれます。
完璧に進めようとしなくていいんです。
まずは夫婦で「どうしようか」と話してみる。
その小さな一歩から始められたら、それでもう十分。
家族みんなで笑顔でお祝いの日を迎えられたら、すてきですよね。



