初節句は、お子さんが健やかに成長することを願って家族みんなで祝う、大切な行事のひとつです。
その主役ともいえる「ひな人形」を用意するとなると、
「相場はどのくらい?」
「どんな種類があるの?」
「予算に合ったものはあるのかな?」
と、気になることがたくさん出てきますよね。
一般的に、初節句のひな人形の相場は5万~20万円ほどといわれています。
ただし、選ぶ人形の種類や飾るスペース、誰が購入するかによって、実際の金額にはかなり幅があります。
最近では、コンパクトで収納しやすいタイプや、現代風のナチュラルデザイン、作家による一点ものなど、バリエーションも豊かで、選ぶ楽しさが広がっています。
この記事では、「ひな人形の価格相場」を軸に、価格帯ごとの特徴や、後悔しない選び方のポイント、購入時のマナーまで丁寧に解説していきます。
はじめての節句でも安心して準備ができるよう、家族のスタイルに合ったひな人形選びのヒントをたっぷりとお届けしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
初節句に贈るひな人形の相場はいくらくらい?
平均的な相場は5万~20万円が目安
初節句のお祝いとして贈られるひな人形は、その豪華さや大きさ、衣装の素材、そして職人さんの技術の細やかさなどによって、価格に大きな幅があります。
一般的には、5万円から20万円くらいが多く選ばれている価格帯ですが、実際に売り場を見てみると、もっと幅広い選択肢があることに驚くかもしれません。
たとえば、量産型でシンプルなセットなら3万円台でも十分そろいますし、伝統工芸の職人が一つ一つ手作りしたような高級セットになると、30万円以上するものも少なくありません。
また、最近はデザインも多様化していて、ナチュラルテイストや北欧風など、インテリアに合わせやすいものも登場しています。
こうした現代的なテイストの人形は、コンパクトながらも華やかで、お値段も比較的手ごろなことが多いです。
家庭によって「ちょうどいい」と思える価格帯は違って当然なので、まずは平均的な相場を知っておくことで、予算の目安が立てやすくなりますよ。
無理なく気持ちよく用意できる範囲で、納得のいくひな人形を見つけてくださいね。
親・祖父母・夫婦の負担割合で変わることも
誰がひな人形を買うかによって、想定する相場や価格の考え方も自然と変わってきます。
昔は「初節句のひな人形は母方の実家が贈るもの」という風習が一般的でしたが、最近は家庭の形や価値観が多様化してきていて、そのスタイルもさまざまです。
たとえば、両家で話し合って費用を折半したり、パパママが自分たちの好みや予算に合わせて購入することもあります。
「祖父母の負担はありがたいけど、できるだけ自分たちで準備したい」という方もいれば、「せっかくなので、祖父母に気持ちよく買ってもらいたい」という声もあります。
誰が買うにしても、相手の気持ちを大切にしながら、無理のない範囲で準備するのが理想的です。
事前に「どんなものを贈るか」「どこまでの金額なら無理がないか」を話し合っておくことで、スムーズに準備が進みますよ。
価格帯別で見るひな人形の特徴と違い
5万円未満|コンパクト&収納重視の人形セット
予算が5万円以下のひな人形は、サイズがコンパクトで飾りやすく、収納もスッキリできるのが特長です。
置き場所に困らないミニサイズであっても、お顔立ちは丁寧に仕上げられていて、可愛らしさがしっかり伝わってきます。
色合いや衣装のデザインも現代風にアレンジされたものが多く、ナチュラルなインテリアにもよく馴染むんですよ。
特に最近では、木目調のケース入りや、シンプルな親王飾りタイプが人気で、季節感を大切にしながらも生活空間を邪魔しないよう配慮されたデザインが増えています。
この価格帯の人形は、はじめての節句で
「とりあえず飾ってみたい」
「長く続けられるかまだわからないから…」
というママやパパにもおすすめです。
コンパクトで軽いぶん、出し入れの手間も少なく、お子さんと一緒に飾る楽しさを味わいやすいのも魅力ですね。
5~15万円|飾り映えする中型の三段飾りタイプ
5万円~15万円の価格帯になると、ひな人形の世界がぐっと華やかになります。
三段飾りや親王飾りなど、飾ったときの存在感があり、ぱっと見ただけでも「しっかりしたお祝い感」が伝わるようになります。
お人形のお顔や衣装もより本格的になって、繊細な刺繍や金糸を使った豪華な装いのものも登場してきます。
さらに、この価格帯になると、屏風やぼんぼりなどの飾り小物が本格的な木製になったり、細かい装飾が施されていることが多くなります。
特に金屏風が入るとぐっと高級感が増して、お部屋全体の雰囲気がぐっと引き締まるんですよ。
飾るスペースや予算は限られているけれど、やっぱりしっかりとしたお祝いにしたいというご家庭には、このクラスがとても人気です。
15万円以上|伝統的な七段飾りや有名作家の作品
15万円を超えてくると、いよいよ本格派のひな人形の世界が広がってきます。
昔ながらの七段飾りは、見た目の華やかさもさることながら、ひとつひとつの道具や人形の細工がとても丁寧に作られていて、まさに芸術品のような存在感を放ちます。
衣装には西陣織や正絹が使われていたり、髪の毛が本物の人毛で作られていることもあります。
また、人気のある人形作家が手掛けた作品は、世界にひとつだけの個性を持っていて、他にはない魅力が詰まっています。
「一生ものとして、大人になったわが子に引き継いでいきたい」という思いがある方や、伝統を重んじるご家庭にとっては、とても満足度の高い選択になるでしょう。
ただし、これだけ立派なひな人形になると、当然ながら飾るにも収納にもかなりのスペースが必要になってきます。
飾る場所のサイズはもちろん、収納時に必要な箱の大きさや置き場所まで、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
価格だけじゃない!後悔しないひな人形の選び方
サイズと収納のしやすさを考慮しよう
ひな人形を選ぶときに大切なのが、飾るときとしまうとき、どちらもムリのないサイズ感かどうかです。
毎年飾るものだからこそ、手間がかかりすぎると「今年はいいか…」と出しそびれてしまう原因になりがちです。
コンパクトで扱いやすいひな人形なら、出し入れもスムーズで、お子さんと一緒に楽しく準備する時間も取りやすくなります。
また、収納スペースの限られたマンションやアパートでも安心して保管できるのがうれしいポイントです。
特に最近は、収納箱がそのまま飾り台になっているタイプや、折りたたんで片付けられる屏風付きの人形も登場していて、とても実用的なんです。
しまう場所を取らず、かつ飾るときはしっかり存在感を出してくれるので、忙しいママや収納に悩むご家庭にもぴったりですよ。
飾るスペース・ライフスタイルに合うタイプを
最近は、リビングや玄関など限られたスペースでも飾れる省スペースタイプが人気です。
たとえば、横幅30~50cmほどの小さな飾り棚に乗せられるようなセットや、卓上サイズのケース入り人形は、手軽に飾れて見た目も華やか。
インテリアとしても違和感がなく、普段の暮らしに自然になじんでくれます。
おしゃれなガラスケース入りや、壁にかけられるタペストリー型のひな飾りも増えていて、「ひな人形は場所をとるから無理かも…」と感じていた方にも取り入れやすくなっています。
中にはLEDライトやアクリルケースを使った現代的なデザインもあり、ライフスタイルに合わせた自由な選び方ができるようになっていますよ。
購入時期や限定商品にも注意
ひな人形は年末からお正月明けにかけてが購入のピークですが、人気商品はすぐに売り切れてしまうこともあります。
特に作家ものや限定デザインのセットは、1月中旬には完売してしまうことも珍しくありません。
早めにお店を見ておくと、選択肢が多くお気に入りに出会いやすくなりますよ。
また、節句シーズンが近づくと展示品や在庫限りの値引き商品も出てくることがあるので、予算重視の方はそういったタイミングもチェックしておくとお得です。
インターネットでの購入も便利ですが、実物の大きさや質感を見てから決めたいという方は、実店舗での比較もしっかりしてみてくださいね。
誰が買う?費用負担のマナーと最近の傾向
昔ながらの「母方の実家」だけじゃない
以前は「ひな人形は母方の実家が用意するもの」とされていましたが、今ではその考え方もかなり変わってきました。
これは、家族のかたちや働き方、住まいの事情などが多様化していることが大きな理由です。
昔は同じ地域に三世代が近くに住んでいることも多く、「母方の祖父母が買う」という暗黙のルールが自然と成り立っていた背景がありました。
しかし今は、核家族化や遠方に住んでいる家庭も増えてきて、親世代と孫世代の関係性もさまざまです。
そのため、「誰が買うか」についても一概に決められないのが実情で、「贈ってもらえるならありがたいけれど、必ずしも母方である必要はない」と考えるご家庭も多くなってきました。
両家の状況や関係性、そしてなによりご家庭の希望に合わせて、柔軟に考えることが一般的になってきています。
最近は「夫婦で購入」や「両家折半」も増加中
最近ではパパママが自分たちでひな人形を購入するケースもよく見かけます。
「自分たちで選びたい」「両親に負担をかけたくない」「予算を自分たちで決めたい」といった気持ちから、自主的に購入を選ぶ夫婦が増えているんですね。
自分たちで用意することで、飾る楽しみや愛着もひとしおです。
また、両家の祖父母が仲良く話し合って費用を出し合う“折半スタイル”も人気です。
「みんなでお祝いした」という実感が残るので、どちらかに負担が偏ることなく、気持ちよく節句を迎えられるのが魅力です。
こうしたスタイルは、ひな人形だけでなく、初節句の食事会や写真撮影など、他のお祝いごとにも応用されることがあります。
大切なのは、「どんなふうにお祝いしたいか」という気持ちを家族で共有すること。
お祝いしてくれる気持ちそのものに感謝しながら、それぞれの家庭にとっていちばん心地よい形を見つけていけるといいですね。
トラブルを防ぐための話し合いポイント
せっかくの晴れの日に、ひな人形の購入をめぐってトラブルになるのは避けたいものですよね。
誰が買うのか、予算はいくらくらいか、どんなデザインの人形を希望しているかなど、事前に細かい部分までしっかりと話し合っておくことがとても大切です。
特に、お互いの家族の思い入れや風習、考え方が異なることもあるので、何となく流れで進めてしまうと、あとから「そんなつもりじゃなかった…」というすれ違いにつながってしまうこともあります。
話し合いのときには、
「どんな気持ちで贈りたいのか」
「どんな形でお祝いしたいのか」
といった、気持ちの部分にも目を向けると、お互いをより理解しやすくなりますよ。
「お祝いしてくれるその気持ちがうれしい」
「気をつかわせたくない」
そういった思いを言葉にして伝えることも、円滑なコミュニケーションにつながります。
もし意見が分かれたとしても、それぞれの立場や事情を尊重しながら、納得できる折り合いを見つけていけると、お祝いそのものがよりあたたかい思い出になります。
準備の段階から、家族みんなの気持ちがひとつになるような、そんな素敵な初節句になるといいですね。
まとめ|納得できる価格で、心に残る初節句を
初節句のひな人形は、お子さんやご家族にとって一生の思い出になる大切なお祝いごとのひとつです。
生まれてはじめて迎える節句は、健やかな成長を願う意味もこもっていて、家族みんなにとって特別な時間になります。
だからこそ、どんなひな人形を選ぶか、どんなふうにお祝いするかは、とても悩ましくもあり、楽しみでもありますよね。
価格やデザイン、置き場所など、考えるポイントはいろいろありますが、まずは相場や価格帯の違いを知っておくことで、無理なく納得して選べるようになります。
高価なものが必ずしも正解というわけではありません。
ご家庭の事情やライフスタイルに合ったものを選ぶことで、毎年気持ちよく飾っていける大切な宝物になるんです。
また、誰が購入するのか、どんなタイプを選ぶのかについても、できるだけ家族みんなで話し合いながら進めていくと、お祝いの準備も自然と楽しくなってきますよ。
「こうしたい」「これは避けたい」など、思っていることを率直に伝え合える関係づくりが、節句だけでなく今後の子育てにもきっと役立ちます。
価格や形式だけにとらわれすぎず、「私たちらしいお祝いってなんだろう?」という気持ちを大切にして、心に残る素敵な初節句を迎えてくださいね。