お食い初めを「やらない」と言うお嫁さんに戸惑ってしまったり、「そんなのあり?」と驚いた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
また一方で、出産後の疲れや育児の大変さ、行事への価値観の違いなどから「正直、やりたくないな…」と感じているママも実はけっこう多いんです。
この記事では、そんな「お食い初めをやらない」という選択について、なぜそう思うのかという理由や背景をくわしく見ていきます。
そして、家族間で意見が合わないときにどうすればいいか、角が立たないコミュニケーションの取り方、さらには“やらない代わりにできること”まで、幅広くご紹介していきます。
赤ちゃんの行事は、家族にとって大切な節目。
でもそれがストレスやモヤモヤの原因になってしまうのはもったいないですよね。
この記事を通して、お互いに気持ちよく納得できる形が見つけられるヒントになればうれしいです。
「お食い初めやらない」と言う嫁の気持ちとは?
そもそもお食い初めって何?やる意味や目的
お食い初めとは、生後100日ごろの赤ちゃんに「これからの人生で食べ物に困ることがないように」と願いを込めて行われる、日本の伝統的な行事です。
古くは平安時代から続いているとも言われていて、赤ちゃんが初めて食事をする“ふり”を家族の誰かが行うことで、健やかな成長を祈ります。
このときに用意されるお膳には、
- 鯛
- 赤飯
- 煮物
- 汁物
- 香の物
- 歯固め石
赤ちゃんに実際に食べさせるわけではなく、箸を口元に運ぶだけの儀式ですが、家族にとっては記念にもなる一大イベントです。
とはいえ、現代ではその形式に対して「どこまでやればいいの?」と悩む声や、「本当に必要?」と感じる人も増えてきました。
特に若い世代を中心に、「簡略化したい」「形にこだわらず気持ちを大切にしたい」という考え方も広がっているのが実情です。
「やらない」と言う嫁のよくある理由と背景
最近では、
「写真だけ撮って終わりにした」
「パパとママだけで簡単に済ませた」
「日常の食事の中でささやかにお祝いした」
という声も多く聞かれるようになりました。
形式にこだわらない、もっと自由なやり方を選ぶご家庭が増えているんですね。
その理由として多いのが、
- 育児や家事で忙しくて準備する余裕がない
- 形式ばった儀式はプレッシャー
- 正直あまり意味を感じない
とくに産後間もない時期は、心も体も疲れているうえに、赤ちゃんのペースに合わせて生活していますよね。
なので、大がかりな準備や人の集まりが負担に感じられることもあるんです。
また、親世代とは価値観が違うことも多く、
「自分たちらしい育児をしたい」
「誰かのためにやるのではなく、赤ちゃんのためにできることをしたい」
という思いから、やらない選択をする人もいます。
産後の心身や価値観の違いが影響していることも
出産後は、想像以上に心も体も繊細になっています。
- ホルモンバランスの変化
- 睡眠不足
- 初めての育児への不安
そんな中で、お食い初めの準備に追われたり、義実家の期待に応えなければと気を張ったりすることは、ママにとって大きな負担になってしまうこともあります。
「やらない」という選択は、決してズボラでも無責任でもなく、自分と赤ちゃんを守るための判断という側面もあるんですね。
そして、昔ながらのしきたりや風習に対して「大切にしたい」と感じる人もいれば、「自分たちには合わない」と思う人もいます。
どちらが正しいということではなく、それぞれの考え方を大事にしながら、無理のない方法を選んでいくことが、いまの時代には求められているのかもしれません。
お食い初めをやらないのは非常識?世間の声と実情
実は増えている「やらない派」ママたち
SNSや育児ブログ、ママ向けのコミュニティサイトなどをのぞいてみると、
「お食い初めは簡単に済ませたよ」
「ちゃんとやらなかったけど後悔してない」
という声が多く見られます。
実際、赤ちゃんとの生活は予想以上に慌ただしく、まとまった時間や準備の余裕がないことも少なくありません。
そんな中、無理して伝統的なスタイルにこだわらず、自分たちのライフスタイルに合った方法を選ぶママが増えているんですね。
特にコロナ禍をきっかけに、家族や親族の集まりを控える傾向が広がったことで、行事そのものを簡略化する動きが加速しました。
それによって、「お食い初めをやらない」という選択肢が以前よりも受け入れられやすくなってきています。
また、インスタグラムやYouTubeなどで“簡単アレンジ”や“おうちお祝い”といったスタイルがシェアされることも多く、無理せずできる形に共感が集まっています。
「きちんとしなきゃ」というプレッシャーを感じるより、「楽しめる範囲でやる」ことに価値を見出す流れが定着してきているようです。
地域差や家族構成によっても違ってくる
お食い初めの習慣は地域差も大きく、「昔からやるのが当たり前だった」というエリアもあれば、「うちは聞いたことはあるけど特にやらなかったな」という地域もあります。
また、昔ながらのしきたりが色濃く残る地域では、親族が一堂に集まって行うのが通例という場合もあるんですね。
さらに、家族構成によっても事情は変わります。
たとえば、祖父母と同居している場合は義両親の意向が強く影響することもありますし、核家族や遠方に住んでいる家庭では形式的な行事は省略されることが多い傾向があります。
共働きで忙しくしているご家庭にとっては、平日も休日も時間が限られていて、どうしても準備が大変。
そんな中、「できることだけで十分」と割り切って無理のない形を選ぶ家庭が増えているのも納得ですね。
「形式にこだわらない」が今どきのスタイル
最近では、伝統的なお膳セットを用意せずに、スーパーのお惣菜や家族が好きなメニューを並べてささやかに祝うスタイルが注目されています。
お皿や盛りつけにちょっとだけこだわって写真を撮るだけでも、記念に残る素敵な時間になります。
また、「フォトスタジオでお祝い写真だけ撮った」「手作りのカードや足形スタンプを残した」といった、気軽で自由なスタイルも増えてきました。
やるかやらないかの二択ではなく、
- どう祝いたいか
- 何を思い出に残したいか
大事なのは、赤ちゃんの成長を家族で喜ぶ気持ちです。
形にとらわれず、自分たちらしい方法でその気持ちを表現することが、一番心に残るお祝いになるのではないでしょうか。
義両親や夫との意見のズレ、どうする?
「やりたい」家族と「やりたくない」嫁のすれ違い
義両親や夫が「せっかくの行事なんだから、ちゃんとやるべき」と考えている一方で、お嫁さんが
「今はそこまでの余裕がない」
「正直、そんな気持ちになれない」
と思っていることは意外とよくあります。
この考え方のズレが、知らず知らずのうちに気まずさや不満のもとになってしまうこともあるんですね。
とくに義両親世代にとっては、「やって当然」と思っている行事だからこそ、「やらない」と聞くと驚いたり、がっかりしたりする気持ちになるのも無理はありません。
でもお嫁さんの側からすれば、育児や家事に追われて気持ちも体力もギリギリ。
そんな状態で無理に準備を進めること自体が負担になってしまうんです。
こういったすれ違いがあることを前提に、お互いの立場を思いやりながら話し合うことが大切です。
角が立たない伝え方・話し合い方のコツ
まず大事なのは、相手の気持ちを頭ごなしに否定しないこと。
たとえば、
「今の私には体力的にも精神的にも余裕がなくて…」
「せっかくの行事だから、気持ちの準備が整ってからやりたい」
といったように、自分の状況や気持ちを正直に、でもやわらかい言い回しで伝えることがポイントです。
また、「やりたくない」と伝えるのではなく、「できることはやりたいけど、今回はこうした形にさせてほしい」といったように、少しだけ妥協点を見せるのも円滑なコミュニケーションには効果的です。
相手も「理解しよう」とする姿勢になりやすくなりますよ。
やらない選択を納得してもらうための工夫
やらない場合でも、「赤ちゃんのために、きちんと気持ちは込めている」ということを示すのはとても大切です。
「お祝い膳は準備しないけど、写真だけはしっかり残したいと思っています」
「自宅でゆっくり家族でお祝いの食事をしようと思っているので、ご都合が合えばぜひ来てください」
といったように、思いやりの気持ちを添えることで、相手も安心しやすくなります。
さらに、義両親への配慮として「おじいちゃん・おばあちゃんに見せたいので、後日写真を送りますね」と一言添えると、やらない選択でも「ちゃんと考えてくれてるんだな」と感じてもらえるはずです。
やらないという選択でも、気持ちの伝え方ひとつで印象は大きく変わります。
大切なのは、「やらないこと」ではなく、「どう気持ちを伝え、共有するか」なんですね。
やらない代わりにできることってある?
写真だけ撮る・家族で食事会など“簡略版”アイデア
かしこまった儀式をしなくても、家族で赤ちゃんの写真を撮ったり、一緒にご飯を囲んだりするだけでも立派なお祝いになります。
たとえば、自宅で簡単な飾りつけをして写真を撮ったり、お気に入りのベビー服を着せて記念撮影をするだけでも、心に残るイベントになりますよ。
また、赤ちゃんの成長記録として手形・足形を一緒に残しておくと、見返したときに「こんなに小さかったんだな」とあたたかい気持ちになれます。
ご飯も、特別な料理でなくても家族みんなで食卓を囲むだけで、自然と笑顔がこぼれるお祝いの時間になります。
「簡単でも、気持ちはこもっている」と感じられることが何より大切です。
パパとママだけでも、家族の絆を深められる良い機会になりますよ。
記念品や手紙で「気持ちを伝える」方法
赤ちゃん宛てに手紙を書くのは、今しかできない素敵なプレゼントになります。
将来読み返せるように残しておけば、「こんな気持ちで育ててくれたんだ」と感動してもらえるかもしれませんね。
そのほかにも、記念フォトフレームやアルバム、手形足形アート、オリジナルの名入れグッズなど、さまざまな形で記念に残せるものがあります。
とくに手作りアイテムは、時間やお金をかけなくても心のこもったプレゼントになります。
家族それぞれがメッセージカードを書いてアルバムに貼るのもいいアイデアです。
おじいちゃんおばあちゃんに協力してもらっても、温かい交流の場になりますよ。
あとから後悔しないために考えたいこと
「やらなかったことで後悔するかも…」と不安になることってありますよね。
完璧なお祝いじゃなくても、ちょっとしたことで気持ちの整理ができたり、記念として満足できたりするものです。
たとえば、「写真1枚だけでも残そう」「後日、お祝いらしい食事をしてみよう」といった、できる範囲で工夫するだけでも充分です。
お祝い膳がないからといって意味がないわけではありませんし、“自分たちに合ったやり方”で祝うことが一番大切です。
あとになって「無理してやらなくてよかった」と思えるように、「今の自分たちにとってベストな形は何か?」を考えてみてくださいね。
まとめ:大切なのは「思いやり」と「話し合い」
お食い初めをやる・やらないに正解はありません。
それぞれの家庭に合ったやり方や考え方があって当然ですし、大切なのは何よりも、赤ちゃんの健やかな成長を願う気持ちです。
そして、もうひとつ大事なのが、その思いを家族みんなで共有していくことなんですね。
形式ばかりにとらわれるよりも、気持ちを伝え合いながら、家族全員が心から納得できる形で行うことのほうが、ずっと価値のあることだと思います。
「やらない」という選択にも、ちゃんと理由があるんです。
忙しさや体調、育児の負担、価値観の違いなど、それぞれの立場で悩みや背景があるからこその判断。
それを否定せずに、
「どうすればお互いに気持ちよく過ごせるか」
「どんな形であれば納得し合えるか」
を一緒に考えることが、これからの家族関係にもきっと良い影響を与えてくれます。
伝統を大切にしたい気持ちと、今のライフスタイルに合った過ごし方のバランス。
そのどちらも大事にしながら、思いやりのある話し合いで答えを見つけていけたら素敵ですね。