
「お食い初め、そろそろやらないの?」と聞いたら、奥さんの表情がちょっと曇った。
あるいは「やらなくていいかな」とそっけなく言われて、どう返したらいいかわからなくなった。
そんな経験から、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
やらないのって普通なんだろうか、無理にすすめたら関係がギクシャクしないか、自分が口を出すべきなのか見守るべきなのか…。
考えれば考えるほど、迷ってしまいますよね。
この記事では、お食い初めをやらない家庭が実際どのくらいあるのかという客観的な実態から、奥さんがやりたくないと感じる現実的な理由、そして相手を責めずに気持ちを尊重しながら、家族みんなが笑顔でいられる具体的な伝え方までをまとめました。
読み終わるころには、肩の力が抜けて「これならうまくやれそう」と思えるはずです。
お食い初めをやらない選択は珍しくないし無理にすすめなくて大丈夫
最初にいちばん大事なことをお伝えします。
お食い初めをやらないことは、決まりを破っているわけでも、非常識なわけでもありません。
やる家庭が多いのは事実ですが、やらない家庭も確かに存在していて、それを選んだからといって誰かが責められるようなものではないんです。
そして、奥さんが乗り気になれないのにも、ちゃんとした背景があります。
生後100日という時期は、ママの心と体がまだまだ回復しきっていないタイミング。
そこに準備の負担が重なれば、「今はちょっと…」となるのは、ある意味とても自然な反応なんですよね。
だからこそ、あなたが今すべきことは、無理にすすめることでも、説得することでもありません。
まずは「やらないという選択もアリなんだ」と知っておくこと。
そのうえで、奥さんの気持ちにそっと寄り添いながら、もしやるとしても負担の少ない形を一緒に考えていく。
それだけで、家族のわだかまりはぐっと減っていきます。
焦らなくて大丈夫ですよ。
お食い初めをやらない家庭が一定数いるのには理由がある
「やらないのは普通なの?」という疑問に、まずはデータと事実の面から答えていきます。
世間の実態と、そもそもお食い初めがどういう行事なのかを知っておくと、奥さんの気持ちもぐっと理解しやすくなりますよ。
実施率は7〜9割でも残りの1〜3割は確かにいる
いくつかの調査を見てみると、お食い初めをした家庭はおおむね7〜9割とされています。
育児に関心の高い層が対象の調査では8割以上という結果もありますが、もっと広い範囲の母親を対象にした調査では実施率は5割を超える程度というデータもあり、母集団によって幅があります。
つまり、「やる家庭が多い」のは本当だけれど、「やらない家庭は1〜3割ほど確かにいる」というのも、同じように本当なんです。
少数派ではあっても、決して珍しい存在ではない。
ここをまず押さえておくと、「うちだけおかしいのかな」という不安は手放せるはずです。
ちなみに、調査によっては「最近の若い世代の母親ほど実施率はむしろ高い」という傾向も出ています。
「今どきの若い嫁はやらない」というイメージとは、実は逆なんですね。
ですから「やる・やらないは家庭ごとに分かれる時代になった」と捉えるのが、いちばん実態に近いと言えそうです。
そもそもお食い初めには厳密な決まりがない
意外に思われるかもしれませんが、お食い初めは法律で決められた行事でもなければ、宗教的に必ずやらなければいけない儀式でもありません。
安産・育児で知られるある神社では、お食い初めについて「必ずしも100日目に行わなければならないわけではない」「お日柄も気にしなくて大丈夫」と説明しています。
さらに「自分たちのやり方に合わせて手軽にお祝いできる行事」とまで明記しているんです。
神社そのものが「決まりにこだわらなくていい」と言っているわけですね。
ある自治体の公式サイトでも、現在ではしきたりにとらわれず、家庭ごとに献立を考えて祝うケースが増えていると紹介されています。
時期についても、生後100日から200日くらいまで幅を持たせて構わないとされています。
「やらないと縁起が悪い」という根拠もない
「やらないと赤ちゃんに悪いことが起きるのでは」と心配になる方もいるかもしれませんが、お食い初めをしなかったことが子どもの成長や健康に悪い影響を与える、といった根拠は確認されていません。
もともとお食い初めは、医療が発達していなかった昔、赤ちゃんが生後100日まで無事に育つこと自体が大きな節目だった時代に生まれた行事とされています。
現代では、その切実な意味合いは薄れ、家族の節目を祝う行事へと性格が変わってきました。
「やらないと縁起が悪い」というのは、安心して手放してしまって大丈夫な心配なんです。
生後100日は産後の心と体がいちばんつらい時期と重なる
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分かもしれません。
奥さんが乗り気になれない背景には、気の持ちようではどうにもならない、体の事情があるんです。
産後、出産で大きく減った女性ホルモンが元の状態に戻るまでには、半年から1年ほどかかると言われています。
睡眠不足がいちばんつらいのも、新生児期から生後3か月あたり。
つまりお食い初めをやる生後100日というのは、ちょうど心も体も回復の途中なんですね。
さらに見過ごせないのが、産後うつのことです。
産後うつは出産した女性のおよそ10〜15%が経験するとされ、その発症のピークが、ちょうど生後100日あたりと重なるという指摘があります。
お食い初めのタイミングは、ママにとって一年で最もデリケートな時期と言っても言いすぎではないんです。(数字で見ると、ちょっとドキッとしますよね)
この時期は、ささいな一言で深く傷ついたり、感情のコントロールが難しくなったりすることもあります。
だからこそ、「なんでやりたがらないんだろう」ではなく、「今はそういう時期なんだ」と受け止めてあげることが、何よりの支えになります。
うちの妻も、ちょうど100日のころは夜中の授乳でフラフラで、笑顔が消えていた時期でした。
今思えば、あのときお食い初めの話を持ち出さなくて本当に良かったなと思います。
準備の負担は思っている以上に重い
「やるだけでしょ?」と思いがちですが、お食い初めの準備はなかなかのボリュームです。
実際、ある調査では、約半数のママがお祝いごとの準備に負担を感じた経験があると答えています。
具体的に何が大変なのか、ざっと挙げてみますね。
- 鯛や赤飯、煮物、お吸い物などの一汁三菜をそろえる手間
- 尾頭付きの鯛を事前に注文し、家のオーブンに入るかまで気にする調理の負担
- 両家の祖父母の日程調整や席順、養い親役のお願いといった気づかい
- 義父母の口に合う料理かどうか、地域の慣習に合っているかという心配
- 赤ちゃんの祝い着や大人のフォーマルの準備、当日の進行役のプレッシャー
負担に感じるなというほうが無理がありますよね。
(冷凍餃子を焼く気力すらない日に、尾頭付きの鯛と向き合うのはハードルが高すぎます)
奥さんの気持ちを尊重しながら円満に進める具体的な方法
ここからは、実際にどう動けばいいのかという話です。
大きく分けて、奥さんへの声かけ、義両親への伝え方、そして負担を減らす折衷案の3つの方向から、具体的に見ていきましょう。
ポイントは、誰も責めずに、それぞれの気持ちに逃げ道を残してあげることです。
奥さんへの声かけは当事者として寄り添う
まず大事なのが、奥さんへの言葉です。
ここでやりがちなのが、「手伝おうか?」「協力しようか?」という声かけ。
一見やさしそうですが、これだと「お食い初めは奥さんの仕事で、自分はあくまでサポート役」という構図になってしまい、産後で気持ちが張りつめているママをかえって孤立させてしまうことがあるんです。
そうではなく、自分ごととして引き受ける言い方に変えてみてください。
そのまま使える声かけのフレーズ
たとえばこんな言い方が、奥さんの肩の荷を下ろしてあげられます。
- 「今は体を休めるのが最優先だよ。やらないか、宅配のセットだけで済ませる方向で、親には僕から説明しておくね」
- 「写真だけスタジオで撮るっていうのはどうかな?それなら負担も少ないと思うんだけど」
- 「無理しなくていいよ。どうしたいか、あなたの気持ちで決めてくれていいからね」
これだけで、奥さんは「義両親とのやり取り」という一番重いプレッシャーから解放されます。
言わないほうがいい一言
逆に、よかれと思って言ってしまいがちなNGワードもあります。
「大変ならミルクにしなよ」のような、何気ないアドバイス風の一言。
産後で敏感になっているときは、こうした言葉が「責められている」と感じられてしまうことがあります。
正解を教えようとするより、ただ気持ちを受け止める。
「そうだよね、しんどいよね」と一度うなずくだけで、伝わるものは大きく変わります。
正直、最初は「手伝うよ」って言っていたんです。
でも妻の表情が晴れない。
あるとき「親への連絡は全部俺がやるから、君は寝てて」と言ったら、はじめてホッとした顔をしてくれました。
言葉ひとつでこんなに違うのかと驚きました。
義両親への伝え方は感謝と代替案をセットにする
次に、義両親への伝え方です。
ここは角が立ちやすいところですが、コツをおさえれば大丈夫。
伝えるときは「理由の説明」「感謝の気持ち」「代替案」の3つをセットにするのが基本です。
事後報告だけで済ませてしまうと、「なんで相談してくれなかったの」とわだかまりが生まれやすくなります。
やらない、あるいは簡単に済ませると決めたなら、その理由をやわらかく伝えて、感謝を添えて、「その代わりこうします」という代替案を一緒に渡してあげる。
この流れだと、相手も受け入れやすくなります。
角が立たないLINEや声かけの例
たとえば、こんな伝え方はいかがでしょうか。
「いつも気にかけてくださってありがとうございます。
今、◯◯(奥さんの名前)の体調が万全ではなくて、きちんとした形で皆さんをお迎えする自信がないんです。
なので今回は家族だけでささやかに済ませようと思っています。
落ち着いたら、ぜひ一緒に食事させてください。
写真は撮っておいて、あとで送りますね」
ポイントは、最後に「写真を送ります」「落ち着いたら会いましょう」という一言を添えること。
これがあるだけで、義両親も「孫の成長を見られないわけじゃないんだ」と安心できます。
義両親を巻き込むのも一つの手
もし関係が良好で、義両親もやりたそうなら、いっそ巻き込んでしまうのも円満のコツです。
「お食い初めのセットを宅配で頼もうと思うんですが、一緒に選んでもらえませんか?」「養い親の役をお願いできますか?」と役割をふると、義両親は「自分も参加できた」という満足感を得られます。
やる・やらないの対立ではなく、一緒に作る形に持っていけると、いちばん丸くおさまりますね。
やるとしても負担の少ない折衷案を選ぶ
「まったくやらない」と「フルでやる」の間には、たくさんの選択肢があります。
奥さんの負担を抑えつつ記念は残せる、ちょうどいい落としどころを探してみましょう。
宅配セットや写真だけという選び方
今は便利なサービスがいろいろあります。
代表的なものを比べてみますね。
| 方法 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自宅で宅配セット | 5,000〜10,000円ほど | 鯛や祝い箸、歯固め石までそろって届く。調理の手間がほぼない |
| 自宅で手作り | 材料費3,000〜5,000円+食器代 | いちばん手間はかかるが自由度は高い |
| レストランやホテル | 大人1名15,000円〜など | 準備も片づけも不要だが費用は高め |
| 写真スタジオで撮影のみ | 5,500円〜(キャンペーン時) | 儀式はせず記念だけ残す。負担はいちばん軽い |
写真スタジオでは、月初の数日間限定で税込5,500円ほどの記念撮影プランを用意しているところもあります。
「儀式はしないけど、写真だけは残しておく」という選び方なら、奥さんの負担はぐっと軽くなりますよ。
他の行事とまとめてしまう手も
0歳のうちは、お宮参りやハーフバースデー、初節句など行事が立て込みます。
そこで、お宮参りと同じ日にまとめる、ハーフバースデーと一緒にするなど、行事を1回に集約してしまうのも賢い方法です。
1日で済めば、奥さんの体への負担も、両家を集める手間も大きく減らせます。
やらない場合でも記念だけは残しておくと安心
これは折衷案というより、ちょっとしたアドバイスです。
体験談を見ていると、「やらなくて正解だった」という声がある一方で、「写真だけでも撮っておけばよかった」という小さな後悔の声もちらほら見られます。
ですから、もしまったくやらないと決めた場合でも、手形や足形を取る、スマホで家族写真を撮るくらいのことは、しておくと後々いいかもしれません。
お金も手間もほとんどかかりませんし、後日その写真を義両親に送れば、それだけで立派なコミュニケーションになります。
やらない=何もしない、ではなくて、できる範囲で何か一つ残しておく。
それくらいの気持ちでいると、ちょうどいいバランスかなと思います。
判断に迷ったときに知っておきたいこと
ここまで読んでも、「うちの場合はどうすれば」と迷う方もいると思います。
最後に、判断の助けになるポイントと、避けたい対応をお伝えします。
やる派とやらない派どちらの気持ちも知っておく
お食い初めについては、やる派にもやらない派にも、それぞれもっともな言い分があります。
やる派の声として多いのは、「一生に一度の記念だから写真も含めて残したい」「義両親や実家の楽しみを奪いたくない」「兄弟で差をつけたくない」といったもの。
一方、やらない派の声には、「産後の体調回復が最優先」「食べる真似だけの儀式に意味を感じない」「写真だけで十分」「共働きや核家族の今の暮らしに合わない」といったものがあります。
どちらが正しい・間違っているという話ではありません。
大事なのは、奥さんがどちらの気持ちに近いのかを、責めずに聞いてあげることです。
あなたが先に「どっちでもいいよ」という姿勢でいてあげると、奥さんも本音を話しやすくなります。
義両親の出身地の慣習も確認しておくと安心
お食い初めには、地域によって違いがあります。
たとえば関東では歯固めに石を使うのが一般的ですが、関西ではタコを使う家庭もあります。
時期も、地域によっては100日より少し遅らせる風習があったりします。
もし義両親が「自分たちのときはこうだった」とこだわりを見せた場合、それは出身地の慣習が背景にあるのかもしれません。
頭ごなしに否定せず、「そういうやり方もあるんですね」と一度受け止めると、無用な衝突を避けられます。
避けたいのは奥さんを置き去りにした進め方
最後に、これだけはやめておきたいという対応を挙げておきます。
ひとつは、奥さんの気持ちを確認しないまま、義両親や自分の判断でどんどん話を進めてしまうこと。
よかれと思っても、当事者である奥さんが置いてけぼりになると、後々まで残るしこりになりかねません。
もうひとつは、世間体やSNSを理由にプレッシャーをかけること。
「みんなやってるよ」「やらないと後で後悔するよ」という言葉は、追い込むだけで何も解決しません。
主役は赤ちゃんと、産後で頑張っている奥さんです。
その2人がいちばん穏やかでいられる形を選ぶ。
それが、結局いちばん良い思い出につながります。
我が家は結局、写真だけスタジオで撮って、後日その写真を両家に送るという形に落ち着きました。
義母は「いい写真ねえ」と何度もLINEをくれて、妻も「これくらいでよかった」とホッとした様子。
やらない・やるの二択じゃなくて、間を取るって大事だなと実感しました。
まとめ
お食い初めをやらない奥さんに戸惑っていたあなたへ、大事なところをもう一度整理しますね。
- お食い初めをやる家庭は7〜9割と多いものの、やらない家庭も1〜3割は確かにいて、決して非常識ではない
- 神社自身が「決まりにこだわらなくていい」と言っており、やらないことに縁起の悪さもない
- 生後100日は産後うつの発症ピークと重なる、ママにとって最もデリケートな時期
- 奥さんへは「親への説明は僕がやる」と当事者として寄り添う
- 義両親へは「理由+感謝+代替案」をセットで伝える
- 宅配セット、写真だけ、他の行事とまとめるなど、負担の少ない折衷案がたくさんある
その事情を知っているだけで、あなたの声かけはきっと変わるはずです。
やる・やらないの正解を探すよりも、奥さんと赤ちゃんがいちばん穏やかでいられる形を、二人で見つけていけたらいいですよね。
今日この記事で知ったことを、ちょっと頭の片隅に置いて、奥さんに「無理しなくていいよ」と声をかけるところから始めてみる。
それだけで、家族の空気はやわらかく変わっていくんじゃないかなと思います。
赤ちゃんの誕生を、家族みんなが笑顔で祝える日が来ますように。



