「お七夜って、やらなきゃいけないのかな」そんなふうに疑問を抱きながらも、本当はちゃんとお祝いしてあげたいという気持ちがある。
でも実際には出産して間もない時期で、心も体もまだ整わなくて。
寝不足のなか慣れない育児に追われていると、正直なところお七夜のことまで手が回らないというのが本音かもしれません。
命名書の準備やお祝い膳、誰を呼ぶのか、どこまでやれば「きちんと祝った」と言えるのかを考え出すと、それだけでぐったりしてしまう人もいると思います。
私自身、最初は「省略なんて申し訳ない」と思っていましたが、実際に経験してみると、大切なのは形式ではなく、赤ちゃんの誕生を喜ぶ気持ちなんだと気づきました。
このページでは、そんなあなたに向けて、お七夜を省略しても大丈夫と思える考え方や、最小限でもしっかり気持ちが伝わるお祝いの方法について、やさしく丁寧にお伝えしていきます。
お七夜を省略するってアリ?
実際に省略する人は増えている
「お七夜をやらなかった」「できるところだけやった」「後日に写真だけ撮った」
そんな声をよく聞くようになりました。
特別な行事として大切にする家庭もあれば、あえて形式にこだわらず、今の暮らしや気持ちに合わせて“わが家流”の祝い方を選ぶ人も少なくありません。
現代では、家族の形も価値観も本当にさまざまで、正解はひとつじゃないと感じます。
私の友人にも、育児と仕事の両立でいっぱいいっぱいになっていた時期に「無理してやるより、赤ちゃんと穏やかに過ごすことを優先した」と話してくれたママがいました。
命名書は後日ゆっくり用意して、赤ちゃんがごきげんなタイミングで撮った写真をプリントして祖父母に送ったそうです。
それだけでもすごく喜ばれて「これでよかった」と心から思えたと話してくれました。
何かを“省略する”というと、どこか後ろめたさを感じるかもしれません。
でも本当に大切なのは、行事そのものではなく、赤ちゃんの誕生を家族みんなで喜び合うこと。
それがきちんとできていれば、やり方はどんな形でも問題ないと思うのです。
体調・忙しさ・価値観…省略を選ぶ理由はいろいろ
お七夜を「やらない」「簡略化する」という選択をする理由は人それぞれです。
出産後のママの体調がまだ戻っていなかったり、上の子のお世話でバタバタしていたり、実家や親戚との距離が遠くて集まるのが難しかったり。
事情は本当にさまざまで、何かひとつでも「やるのが大変」と感じることがあれば、それだけで十分、見直す理由になります。
私も実際、長男のときは里帰り中で両親が全部準備してくれたけれど、次男のときはワンオペ育児の真っただ中で、命名書を買う時間すらなくて。
「今回は無理だ」と感じた瞬間、どこかホッとしたのを覚えています。
無理して形式だけ整えるより、まずは自分と赤ちゃんの心と体を大切にすること。
その選択に、罪悪感を感じる必要なんてないんです。
お七夜を“ちゃんとやること”が愛情の証ではありません。
その日、ママが笑っていられること、赤ちゃんを抱きしめて「生まれてきてくれてありがとう」と心から言えること。
それがなにより尊いお祝いだと思います。
大切なのは「祝いたい気持ち」そのもの
行事を省略するかどうかよりも、本当に大切なのは「赤ちゃんを祝いたい」という気持ちがあるかどうかです。
形に残るものがなくても、料理が簡単なものであっても、誰かを呼ばなくても、「うちの子が無事に生まれてきた」という喜びを家族で感じ合えることこそが、お七夜の本質だと思います。
きらびやかな命名書や立派な料理は、それができるなら素敵なこと。
でも、そうじゃなくても心に残るお祝いはできるんです。
私がそうでした。
忙しさと疲れのなか、夫と赤ちゃんと3人で小さなケーキを囲んで「名前、決まったね」と乾杯したあの時間が、今では何よりもあたたかい記憶になっています。
お七夜は、豪華にすることや人に見せるための行事ではなくて、自分たちの心の中に残す記念日。
だからこそ、形式よりも想いを大切にしたいですね。
省略してもOKな部分はどこ?
命名書は「後日準備」でも十分
「お七夜といえば命名書!」というイメージ、確かに強いですよね。
けれど、実際にこの命名書を「お七夜当日までに準備しなきゃ」と思ってしまうと、それだけでプレッシャーに感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
とくに出産直後の慌ただしい時期、紙や筆を用意して、きれいに文字を書いて…なんて、想像するだけでぐったりしてしまうものです。
でも命名書は、当日じゃなくても全然大丈夫なんです。
赤ちゃんの名前がしっかり決まったあとで、落ち着いて準備するほうが、気持ちを込めて書けますし、仕上がりにも納得がいくはず。
しかも最近では、手書きにこだわらなくても、おしゃれなテンプレートをダウンロードして印刷するだけで立派な命名書ができあがる時代です。
ネットで注文すれば、プロに仕上げてもらうことだってできます。
私も次男のときは、お七夜には間に合わず、1か月後に印刷した命名書を壁に飾りました。
でもその写真を見るたび、「あの頃は本当にバタバタだったね」と懐かしくなって、逆に思い出深いものになっています。
命名書は焦って仕上げるものじゃなくて、赤ちゃんの名前を大切に形に残すもの。
だからこそ、余裕があるときに、ゆっくり準備すればいいんです。
祝い膳は外注・写真だけでも◎
「お七夜のごはんはどうしよう…」と悩む方も多いですよね。
赤飯や鯛の尾頭付き、煮物やお吸い物など、いかにも“お祝い膳”らしいメニューが頭をよぎって、「でもそんなの今は無理!」とため息が出ることもあるかもしれません。
でも、安心してください。
祝い膳も、かたちにこだわりすぎる必要はありません。
たとえば、スーパーやお弁当屋さんで赤飯を買ってくるだけでも、十分お祝いの雰囲気は出せます。
お惣菜を少し盛り合わせて、お皿にちょっとだけこだわってみる。
それだけで、立派な“わが家流のお祝い膳”が完成します。
さらに最近は、宅配のお祝い弁当や、冷凍の和食セットなど、育児中の家庭をサポートしてくれるサービスも充実しています。
私自身、長女のお七夜では張り切って手作りしようとしたのですが、途中で赤ちゃんが泣き出して大混乱。
結果的に近所のデパ地下で買ったちらし寿司を出しただけでした。
でも、その一皿を囲んで夫と「よく頑張ったね」と笑い合えた時間が、今も心に残っています。
大切なのは、料理の豪華さではなく、その場にあるあたたかい空気と気持ち。
写真だけでも残しておけば、後から見返したときにほっこりできますよ。
記念撮影は赤ちゃんと名前カードでOK
「お七夜っぽい写真を撮りたいけど、背景も飾りもない…」と不安になる必要はまったくありません。
実は、お七夜の記念撮影に必要なのは、赤ちゃんの姿と“名前”がわかる何か、それだけで十分なんです。
たとえば、白い画用紙に赤ちゃんの名前を書いて、それを横に置いて撮るだけ。
お気に入りのブランケットや、おくるみの上で寝ている姿をパシャッと撮るだけでも、立派な記念になります。
特別な衣装や、スタジオでの撮影がなくても、その“今このとき”の表情や小さな手足が映っている写真こそが、一生の宝物になります。
我が家では、命名書も料理も用意できなかったお七夜の日、寝ている赤ちゃんの横に夫が手書きで作った「○○くん お七夜おめでとう」と書かれた紙を置いて、一枚だけ写真を撮りました。
その1枚が、今もアルバムの一番前に貼ってあります。
華やかではなかったけれど、自分たちにとっての“最高の記念”になったと心から感じています。
最低限これだけでも大丈夫!シンプルお七夜のアイデア
「本当はちゃんとやりたい。でも今はとにかく時間も余裕もない」
そんな気持ちでモヤモヤしているママやパパに、心から伝えたいのは「無理してすべてをこなす必要なんてない」ということ。
お七夜は本来、赤ちゃんの誕生を喜び、命名という大切な節目を家族で感じるためのものです。
だからこそ、たとえ“最小限”でも、気持ちさえこもっていれば、立派なお祝いになるんです。
ここでは、ほんの少しの工夫だけでできる“シンプルなお七夜”のアイデアをご紹介します。
「これならできそう」と思えるスタイルがひとつでも見つかれば、それがあなたの「わが家らしい記念日」への第一歩になりますように。
「命名+記念写真」だけのお祝い
もし何か一つだけ選ぶとしたら、私は迷わず「命名+記念写真」をおすすめします。
命名は、赤ちゃんへの最初のプレゼント。
たとえ色紙や飾りがなくても、名前を紙に書いて写真に収めるだけで、ちゃんと気持ちは残ります。
私の知り合いのママは、お七夜当日に赤ちゃんが高熱を出してしまい、何もできなかったそうです。
けれど、翌週に赤ちゃんの名前を書いたシンプルな紙と一緒に撮った写真が、今ではとても大切な一枚になったと話してくれました。
「予定通りじゃなくても、思い出は作れるんだね」と笑顔で語るその表情がとても印象的でした。
SNSで見かけるような豪華な飾り付けや特別な衣装がなくても、赤ちゃんとその名前が一緒に写っているだけで、それは“ちゃんとお祝いした証”。
写真は、形に残る“愛情の記録”なのです。
宅配料理で簡単に“祝い膳気分”
「お祝い膳を用意しなきゃ」と思うと、どうしても手間やハードルが高く感じてしまいます。
でも最近は、育児中の家庭を応援するような宅配サービスや、ちょっと特別感のあるお惣菜が手に入る時代。
無理して手作りするよりも、プロの力を借りて“気持ちを込める”方法も立派な選択です。
私の家庭では、お七夜の夜に「もう、これでいいよね」と頼んだのは、近所のお寿司屋さんの宅配ちらし寿司と、コンビニで買った赤飯のおにぎり。
紙皿に盛りつけただけの簡素な食卓だったけど、それでも「今日は○○のお七夜だね」と声に出して乾杯したことが、なによりの記念になりました。
「ちゃんとお祝いする=手間をかけること」ではありません。
ほんの少し、“特別な気分”になれるような食事を選ぶだけで、お祝いのムードはぐっと高まります。
LINEやSNSで祖父母に報告するだけでも◎
「お七夜に誰を呼ぶか」「祖父母にはどう伝えよう」そんなことに悩んでしまうこともあると思います。
とくに遠方に住んでいたり、コロナ禍や体調のこともあって会うのが難しい場合、LINEやSNSで気軽に報告するという方法も、今ではとても自然で、喜ばれる手段です。
私の義母は、お祝いにこだわりが強そうだったので、当日呼べないことに少し気が引けていたのですが。
赤ちゃんの写真に「名前が決まりました!」とメッセージを添えて送ったら、すぐに「素敵な名前だね。元気そうで何より」と返信があり、電話で泣いて喜んでくれました。
顔を合わせなくても、伝えようとする気持ちだけで、ちゃんと届く愛情があるんだと実感した出来事でした。
報告を兼ねた写真やメッセージは、あとでアルバムにプリントしてもいいし、スマホに残しておくだけでも立派な思い出になります。
大切なのは“伝えること”であって、“集まること”ではないんです。
必要なことをすべてやらなければいけないわけではありません。
たとえ「名前を伝える」「写真を撮る」「ちょっといいごはんを食べる」だけでも、それが心に残る一日になる。
それが“わが家流のシンプルなお七夜”の良さです。
後悔しないための工夫と気持ちの整理
お七夜をやるか、やらないか。
それを決めるうえで、誰もが一度は頭をよぎるのが「あとで後悔しないかな…」という気持ち。
赤ちゃんにとって最初の“行事”だからこそ、
「やらなかったら可哀想だったかな」
「もっとちゃんとやってあげればよかったかな」
と思い返す未来が来るのではないかと、なんとなく心に引っかかるものがあるんですよね。
でも、大丈夫。
大切なのは、“後悔しないように完璧を目指す”ことではなく、“自分たちが納得できるかたちを選ぶ”ことなんです。
ここでは、そのためにできるちょっとした工夫や、心を楽にする考え方をお伝えしていきます。
“ちゃんとやる”より“気持ちがこもってる”を大切に
「ちゃんとやる」という言葉には、どこか
- 形式を整えること
- 人に見せても恥ずかしくないこと
でも本当に大切なのは、見た目や流れの正しさではなく、“そこに気持ちがあるかどうか”だと私は思います。
例えば命名書も、筆で立派に書くことが「ちゃんと」じゃなくて、赤ちゃんの名前を見つめながら一文字ずつ思いを込めて書く、それが“気持ちがこもった”命名書だと思うんです。
お七夜も同じ。
やるべきことをすべてこなしたけれど、疲れ果ててイライラして終わった1日より、手抜きでも笑顔で「おめでとう」と言えた一日の方が、きっとずっと記憶に残るはず。
完璧じゃなくていい。
あなたが「これでよかった」と思えるかどうかが、いちばん大事なポイントです。
写真や動画で形に残せば、あとから見返してほっこり
たとえそのときに大がかりな準備ができなくても、「写真を1枚だけでも残しておく」ことは、後悔しないための大きな鍵になります。
記念日って、不思議なもので、後から思い出せる“なにか”があるだけで、価値が何倍にも膨らむんです。
私が次男のお七夜で唯一撮ったのは、赤ちゃんが眠っている横で姉がぬいぐるみを並べて遊んでいた、なんてことない一枚。
でも、その写真を見ると「この日、あの子が命名された日だったな」と胸があたたかくなるんです。
動画もおすすめです。
短くてもいいから「お名前決まりました!」というパパママの声を残すだけでも、あとで見返したときに、その瞬間の空気ごとよみがえってきます。
行事の記憶は、記録に助けられることが多いからこそ、ほんの一手間で未来の自分や子どもに素敵なギフトが届けられるんです。
「うち流」で祝えば、それが最高の記念になる
「みんなはこうしてた」「一般的にはこうらしい」そうした情報が気になるのは当然です。
ネットで検索すると、華やかな写真や、丁寧に整えられた命名書、立派なお祝い膳の数々…。
それを見るたびに、自分がやっていないことに引け目を感じてしまうかもしれません。
でも、比べる必要はありません。
お七夜は、“うちの子のための行事”なんです。
たとえケーキ1個でも、100均の色紙に書いた名前でも、パジャマ姿の記念写真でも、それが「うちにとっての最高の祝い方」なら、十分価値があるんです。
むしろ、背伸びをせずに「今の私たちにできること」「やってあげたいと思えること」に正直でいることが、後悔しない一番の方法だと私は思います。
“わが家らしさ”を大切にしたお祝いは、あとで振り返ったときにきっと一番あたたかい記憶になります。
まとめ|わが家らしい「ミニマムお七夜」を見つけよう
お七夜は、赤ちゃんがこの世界に生まれてきてくれたことへの感謝と、これからの健やかな成長を願う大切な節目。
でも、それをどう祝うかに正解はありません。
昔ながらの形式にそって行う人もいれば、静かに気持ちだけを込める人もいる。
どちらも、立派なお七夜です。
大切なのは、「やったか」「やらなかったか」ではなく、そのときのあなたがどう感じていたかということ。
忙しさの中でも「おめでとう」と声をかけたり、赤ちゃんの名前をやさしく呼んだり、それだけでも十分に“お祝い”は成立しています。
このページで紹介したように、命名書や料理、写真など、たとえ一つ一つはシンプルなものでも、気持ちが込められていれば、それは赤ちゃんにとって何よりの贈り物になります。
そして、そんな“わが家らしいお七夜”は、何年経ってもきっと温かく思い出せるはずです。
無理に誰かと比べなくていいし、完璧を目指さなくて大丈夫。
ママとパパが赤ちゃんの幸せを願ったその日、その気持ちこそが一番大切なんです。
あなたの選んだかたちが、きっと最高の記念日になりますように。