
お正月って、いつもよりちょっと特別な空気が流れていて、大人になると慌ただしいだけに思えるかもしれないけれど。
でも、子どもにとっては“はじめての日本文化”と出会う大切な瞬間だったりしますよね。
ふと立ち止まって考えると、初詣やおせち料理、年賀状やお年玉…
これ全部、「なんとなく毎年やってるもの」って思っていたけど、実は一つひとつに意味があって、ちゃんと理由があって、昔から受け継がれてきたものなんですよね。
そんな行事を、初めて子どもに伝える立場になったとき、
「どうやって説明したらいいんだろう」
「これって小さな子にも意味あるのかな」
なんて、ちょっと迷ってしまった経験、ありませんか?
私も息子が2歳のとき、玄関に飾ったしめ縄を指差して「これなあに?」と聞かれたときに、言葉につまってしまった記憶があります。
けれど、そういう“はじめての質問”こそが、子どもと文化を一緒に体験していくスタートラインだったんですよね。
この記事では、お正月という行事を子どもとどう過ごすか、どんな風に伝えたらいいかを、親目線でやさしく掘り下げていきます。
文化やマナーの話を押しつけるのではなく、子どもが自然に楽しみながら伝統とふれあえるように、そして何より、家族みんなが「いいお正月だったね」と笑って言えるように。
そんなあたたかいヒントを、ぎゅっと詰め込んでお届けしていきますね。
お正月は“子どもの日本文化デビュー”にぴったり
お正月が特別とされる理由
年が明けたら、とりあえず「あけましておめでとう」と言っておせちを食べて神社に行って、テレビでは駅伝と箱根駅伝。
そんなお正月が「当たり前」になっている私たち大人にとって、正月行事の意味をあらためて説明しようとすると、意外と困ってしまうことってありませんか?
でも、子どもにとってはすべてが“はじめての経験”なんですよね。
お正月は、新しい年の始まりを祝うだけじゃなく、
「今ここにある日常のありがたさ」
「ご先祖さまへの感謝」
「神さまへの祈り」
など、日本人としての感覚や信仰心、そして自然の流れへの敬意がぎゅっと詰まった行事です。
子どもに言葉で説明するのは難しくても、行動や雰囲気から“なんとなく大切なことなんだ”と感じとってもらうことはできます。
だからこそ、このタイミングはただの年明けではなく「心の根っこ」を育てる貴重な機会になるんですよね。
“行事”という安心のリズムが育てるもの
子どもにとって、行事って「特別なお祭り」だけじゃないんです。
節目節目で繰り返される年中行事は、生活の中に“安心できるリズム”をつくってくれる大切な存在でもあるんですよ。
今日が昨日とつながっていて、明日もまた来るという感覚。
その中で
「お正月にはこういうことをする」
「お正月にはこういう味がする」
「こういう服を着て、こういう言葉を交わす」
という一連の体験が、心の中に“安心の柱”のように根づいていくんです。
特に幼児期の子どもにとっては、「毎年くり返されること」そのものが“心の居場所”になっていきます。
うちもそうでしたが、まだ「お正月」の意味がわからない年齢の子でも、「門松が出てくるとワクワクする」とか「鏡もちを見てニコニコする」っていう、感覚での記憶がしっかり残っているんですよね。
“親がやってみせること”が文化の種になる
「うちの子に、きちんと伝えられるかな」と不安になる方もいるかもしれません。
でも、全部を一度に教え込む必要なんてないんです。
むしろ、子どもにとっては“親が自然にやっている姿”を見て育つことのほうがずっと大きな影響になります。
「今日は大晦日だから、ちょっと早起きしてお雑煮の準備するね」
「明日は初詣行こうね」
そんな何気ない言葉や行動が、子どもの心に“これがうちの家族のお正月なんだ”という実感を育てていくんです。
うちの子が幼稚園のころ、「お正月ってなにする日なの?」と聞いてきたとき、「神社に行って、新しい一年を神さまにごあいさつする日だよ」と答えたら、「それって、おはようございますと同じ?」って言われて、なんだか胸がじーんとしました。
“一年に一回の、すごく大きなおはようございます”って、そんなふうに感じてくれたのかもしれません。
文化って“かたち”より“気持ち”で伝わる
お正月に着物を着せるのが無理なら、赤いリボンをつけるだけでもいい。
おせちが作れなければ、黒豆と伊達巻だけでもいい。
伝統行事を通して子どもに伝えたいのは、“かたち”よりも“気持ち”なんです。
「こういうものがあって、こういうふうに大切にされてきたんだよ」という思いが、ちょっとでも親の中にあるなら、それはちゃんと子どもに伝わっていきます。
忙しい毎日で、完璧を目指すのはほんとうにしんどい。
でも、できることを少しずつ。
その積み重ねが、いつか子どもが自分の家族を持ったときに「あのときのうちのお正月、すごくあたたかかったな」って、そっと思い出してくれる未来につながると信じています。
お正月に体験できる主な行事と意味
初詣|1年の始まりを神社で感じる時間
初詣に行くとき、子どもにとっては「大勢の人」「長い列」「寒さ」など、ちょっと大変なこともあるかもしれません。
でも、大人が手を合わせる姿や静かな空気、鈴の音、お賽銭を入れる所作のひとつひとつが、子どもにはとても新鮮で神秘的に映っているんですよね。
うちは年始の朝、まだ少し薄暗いうちから家族で近所の神社に向かうのが恒例なんですが、境内に入ったときの空気の澄んだ感じ、境内の砂利を踏む音。
それだけで「特別な場所に来た」という気持ちになるようです。
「手を合わせて、今年も元気に過ごせますようにってお願いするんだよ」と伝えると、まだ言葉がおぼつかない年齢でも、小さな手をぎゅっと合わせて真似してくれるんです。
そういう瞬間に、心がじんわり温かくなって、「ああ、こうやって文化は受け継がれていくんだな」って感じます。
無理に長時間並ぶ必要はないけれど、空いている時間に短時間でもいいから、子どもと一緒に神社に足を運ぶこと自体が、立派な“はじめての文化体験”になるんですよ。
おせち料理・お雑煮|食を通して伝える伝統
おせち料理って、大人でも正直、全部の意味を言えるわけじゃないですよね。
「黒豆は“まめに働く”」
「昆布巻きは“よろこぶ”」
「数の子は“子孫繁栄”」
なんて、聞いたことはあっても、いざ子どもに説明しようと思うと「ん?なんで豆?」って詰まったりもします。
でも、うちでは“意味を教える”というより、“味を一緒に知る”ということからはじめてみたんです。
一緒におせちを並べながら、「これは甘くて美味しいよ」「これはお父さんが子どもの頃から好きだったんだよ」って会話をするだけでも、食卓があたたかい思い出になります。
「好き」「きらい」「これはなに?」そんな一言が交わされることで、“文化”って自然と身近になるんですよね。
お雑煮も、地域や家庭によってまったく味が違うからこそ、「うちはこうなんだよ」って伝えるチャンスになります。
「おばあちゃんの家では白味噌だったけど、うちはすまし仕立てだよ」って、そんな会話が家族のルーツや地域文化への入り口になってくれるんです。
年賀状・年始の挨拶|人とのつながりを感じる機会
今の時代、年賀状を出す家庭は減っているかもしれません。
でも、だからこそ子どもにとっては特別な体験になるんですよ。
うちは子どもと一緒に、イラスト入りの年賀状を手書きで描いて、それを郵便ポストに入れるところまで一緒にやるんです。
年明けにポストを覗いて「○○ちゃんから届いたよ!」と声をかけると、すごく嬉しそうに目を輝かせていました。
文字が読めなくても、「誰かから手紙が届く」「自分が誰かに送る」という体験が、「つながり」や「気持ちを届ける」という感覚につながっていきます。
「あけましておめでとうございます」と言うのも、ただの挨拶じゃなくて
「今年もよろしくね」
「仲良くしようね」
という温かい気持ちが詰まっていることを、言葉の端っこから感じ取っていってくれるんですよね。
羽根つき・凧あげなど昔ながらの遊び
昔ながらの遊びって、正直いまの時代には馴染みがないかもしれません。
でも、羽根つきの音、凧が風に乗って空に舞い上がる瞬間、コマがくるくる回る様子って、今の子にもちゃんと響くんですよ。
お正月という“特別な日”に、ちょっと懐かしい遊びを一緒に体験することで、「お正月って楽しい」「この遊び、またやりたい」って気持ちにつながっていきます。
うちも一度、凧あげをやってみたとき、最初は上手く飛ばなかったのに、うまく風に乗ったときの「わーっ!」という声、ほんとうに嬉しそうで。
スマホやゲームにはない“からだ全体で味わう楽しさ”を、子どもたちはちゃんと感じ取ってくれるんですよね。
子どもと楽しむお正月の準備と工夫
年齢別の楽しみ方(0歳・幼児・小学生)
お正月行事って、子どもの年齢によって楽しみ方もまったく変わってくるんですよね。
うちも最初は「まだ何もわからないし、やっても意味ないかな」なんて思っていた時期がありました。
でも、よく観察してみると、0歳児でも目に映る赤と白のコントラストや、お餅の形、神社の太鼓の音にしっかり反応してるんです。
大人が「これは特別な日なんだよ」と意識して関わってあげることで、その空気感がちゃんと子どもにも伝わるんですよね。
幼児期になると「これなあに?」の質問が増えてくる時期。
一緒に鏡もちを飾ったり、羽根つきごっこをしてみたり、「この豆はね、“まめに働く”っていう意味があるんだよ」と伝えると。
「ふーん…まめっておいしいね!」なんて答えが返ってきて、ちょっと笑えたりして。
そこに深い理解がなくてもいいんです。
その「体験」こそが心に残るから。
小学生になると、「なんでこうするの?」と、意味や背景にも関心をもちはじめます。
一緒に地域の風習や昔の風習を調べたり。
「うちの家族ではこうしてるけど、○○ちゃんの家は違うんだって」と話し合うことで、自分の家庭の文化に対する誇りや、自分のルーツに触れる感覚も育っていくんですよね。
初詣やおでかけ時の持ち物・服装
子ども連れで初詣に行くときって、ほんとうに準備が大事。
うちは何度も失敗を繰り返して、「ああ、あれ持ってくればよかった!」の連続でした。
まず寒さ対策は鉄板。
ダウンの中にカイロを貼っておく、足元に貼るタイプのカイロを使う、おなかまわりを冷やさないように腹巻きを重ねる。
これだけでだいぶ機嫌が持ちます。
あとは、並ぶ時間が長い場合は軽食や水分補給用の飲み物、小さなおもちゃや塗り絵など“待ち時間対策”もあると安心。
特に混雑する時間帯はトイレの位置も要チェック。
服装も、着物や袴を着せたい気持ちはあっても、歩きにくくて子どもが不機嫌になってしまうこともあるので、動きやすくて防寒性のあるものを優先するのが正解だったりします。
混雑や寒さ対策で安全に過ごすポイント
神社や初売り、親戚の集まりなど、年始はとにかく人が多い場所が増えます。
うちは過去に1回だけ、手をつないでいたはずの子どもが一瞬で人ごみにまぎれてしまったことがあり、冷や汗が止まりませんでした。
それ以来、派手な色の服や帽子を選ぶようにして、さらに“家族の目印バッジ”をつけるようにしたんです。
また、事前に「迷子になったらどうするか」も伝えておくのがすごく大事。
「パパかママが見えるところから絶対離れない」
「もし離れちゃったらこの神社の看板の前で待っててね」
など、具体的な対策を話し合っておくと、子どもも安心できるし、親の心構えも変わってきますよね。
寒さ対策では、ホッカイロやネックウォーマーももちろん大事だけど、個人的におすすめなのは“カイロを入れられるポケットつきのマフラー”。
寒くてぐずる前に、手をあたためられる工夫があると、お出かけのハードルがぐっと下がるんです。
行事の前後に子どもと話しておきたいこと
行事を“ただやるだけ”で終わらせないコツは、前後の会話にあります。
例えば初詣の前には「神さまにどんなお願いする?」と聞いてみる。
終わった後には「どんなことお願いしたの?」「どんなことが楽しかった?」と問いかけてみる。
たったそれだけでも、子どもが感じたことに耳を傾けることで、その体験が“自分だけの思い出”になるんですよね。
また、おせち料理を食べる前に「これはこんな意味があるんだよ」と伝えておいて、食後に「何が一番好きだった?」と聞いてみると、そこからまた会話が広がります。
こういう“振り返りの会話”って、大人にとっては些細なことかもしれないけれど、子どもにとっては「自分の気持ちを大切にしてもらえた」と感じる大きな体験になるんです。
親子でつくる“わが家らしいお正月”
家で楽しむ小さな行事アイデア
お正月だからって、遠くの神社に出かけたり豪華なおせちを用意したりしなくても、家庭の中でできる“小さな行事”はたくさんあります。
むしろ、子どもの心に残るのって、そういう“身近で、繰り返されるあたたかい記憶”だったりするんですよね。
うちでは、鏡もちを紙粘土で作るのが毎年恒例。
プラスチックの既製品も便利だけど、子どもと一緒に作ることで「これが年神さまのための大事なものなんだよ」っていう話にも自然とつながるんです。
あとは、千代紙でポチ袋を折ったり、お正月飾りを画用紙で作ったり。
きっちりやろうとしなくても、ちょっとした遊び感覚で「うちの行事」ができてしまうのが、子どもと過ごすお正月の魅力だなと感じています。
小さなことでも「一緒にやったね」という思い出が、次の年のお正月にもつながっていくんです。
「今年も粘土のおもち作るの?」なんて言ってくれると、やってよかったなって心から思えます。
無理せず取り入れるコツと継続のヒント
完璧なお正月なんて、ほんとうに必要ありません。
私は以前、「ちゃんとしたおせち」「きちんとした正月飾り」ばかりに目が向いてしまって、自分で自分を疲れさせてしまったことがありました。
でも子どもにとって大切なのは、“どれだけ豪華だったか”よりも“誰とどんなふうに過ごしたか”。
だから、頑張りすぎないことがいちばんのコツ。
「今年は黒豆と栗きんとんだけ作ってみようかな」とか、「門松の代わりに折り紙でつくってみよう」とか、ゆるくていいんです。
むしろ、そうやって“うちスタイル”を少しずつ育てていくことで、行事が「やらなきゃ」じゃなく「楽しみ」に変わっていきます。
それに、“続ける”って毎年同じことをするだけじゃなくて、「去年はこれやったね、今年はどうする?」って親子で相談しながら変化していくのも、またいいんですよね。
子どもと一緒に作っていく正月の風景が、やがてその子自身の中に“文化”として根づいていくのだと思います。
家族の思い出として残す工夫(写真・アルバム・工作)
せっかくのお正月。
あとから見返せるように、ほんの少し“思い出として形に残す工夫”をしておくと、それが将来、家族の宝物になることもあるんですよね。
うちでは、お正月に撮った写真を、1枚だけプリントして小さなアルバムに毎年追加していくようにしてるんです。
初詣の神社での家族写真、粘土で作った鏡もちを持った笑顔、千代紙のポチ袋を握りしめてる手。
それらを見返すと、「ああ、この年はこんなことがあったな」って、会話も思い出もどんどんよみがえってくるんですよね。
他にも、おせちを一緒に作った感想を書いたり、年賀状に家族の一言を添えたり。
そうやって、ほんの少しでも記録を残しておくと、子ども自身も「わたしのために、大事にしてくれていた時間なんだな」って感じてくれるようになる気がします。
無理なく、でも丁寧に。
今年の“わが家らしさ”を、ちょっとだけカタチにしてみませんか?
お正月行事で気をつけたいマナーと安全対策
初詣での参拝マナーをやさしく伝える方法
神社って、大人にとってもなんだか身が引き締まる場所ですよね。
子どもにとっては、なおさら“ちょっと特別な場所”に感じられるはず。
でも、静かにしなきゃいけない雰囲気とか、何をどうすればいいのか分からない感じが、逆に不安にさせてしまうこともあるんですよね。
うちでは、初詣に行く前に家でちょっとした“参拝ごっこ”をしてみたんです。
玄関に小さな箱を置いて「ここが神社の賽銭箱だよ。お金を入れたら2回おじぎして、手をパンパンってたたいて…」と一緒にやってみたら、子どもも楽しそうに覚えてくれて。
本番では恥ずかしがらずにできたんです。
「ちゃんとできるように」じゃなくて、「どうしてそうするのか」を一緒に考えてみる時間があると、子どもって想像以上に意味を感じてくれるんですよね。
「神さまにごあいさつするのは、今年も元気に過ごせますようにってお願いするためなんだよ」とやさしく伝えるだけで、ちいさな心にもちゃんと届くものがあるんです。
人混みや寒さへの配慮と安全管理
年末年始って、どうしても外出先が混雑しますよね。
特に初詣やショッピングモール、イベント会場などは、人の流れも多くて子どもと一緒だとヒヤヒヤする場面も増えてしまいます。
私が実際にやってよかったなと思ったのは、「おでかけ前の声かけ」と「はぐれたときのルール決め」です。
「今日は人がいっぱいだから、必ず手をつないでようね」と伝えるだけでも、子どもの中に“気をつけなきゃ”という意識が芽生えるし。
「もし離れちゃったら、○○の前で待っててね」と決めておくことで、いざというときの安心感が違います。
また、防寒も見落としがちなんですよね。
厚着はしていても、手袋を嫌がったり、マフラーが取れやすかったり。
私は子どものポケットに貼るカイロを入れて、遊びに夢中になっても冷えにくくなるように工夫してました。
凍った地面や段差にも注意が必要なので、履きなれた靴で行くことや、暗くなる前に帰る予定を立てておくのも大切なことだと感じています。
アレルギーや食事面での注意点
お正月料理って、普段とは違う食材や調味料がたくさん登場するので、アレルギーのある子どもにはとくに注意が必要です。
うちの子は小麦アレルギーがあるので、親戚の家でお雑煮をすすめられたときに「お餅の粉って何使ってるのかな?」と焦ったことがあります。
「子どもの体質で食べられないものがあって…」と事前に伝えておくこと、食べる前に必ず確認することって、ちょっと勇気がいるかもしれないけど、子どもを守るうえで大事な一歩ですよね。
また、普段は和食を食べ慣れていない子にとっては、味の濃さや食感の違いで食べづらさを感じることもあります。
無理に全部食べさせるのではなく、
「これは一口だけ食べてみる?」
「気に入ったものだけ食べていいよ」
といった声かけをすることで、お正月の食卓が“我慢の時間”ではなく、“発見やチャレンジの時間”に変わっていく気がします。
まとめ|お正月は子どもの記憶に残る文化体験
お正月は、大人にとっては忙しくてあっという間に過ぎてしまう時期かもしれません。
でも、子どもにとっては、家族と一緒に過ごす時間、初めて見る風景、聞いたことのない言葉、はじめての“和”の体験が、全部ぎゅっとつまった特別な季節なんですよね。
ほんの小さな体験でも、
「あのとき神社に行ったな」
「お餅をついたね」
「おせちに黒い豆が入ってたよね」
と、あとからふと思い出す記憶って、驚くほど長く心に残るんです。
大切なのは“ちゃんとやること”より、“一緒に感じること”。
たとえおせちが手作りでなくても、初詣に行けなくても、子どもと「お正月って楽しいね」「また来年もやろうね」って笑い合えたら、それだけで素敵な文化体験になりますよね。
そして、その体験が積み重なっていくことで、子どもの中に“日本の行事を大切にしたい”という心が育っていきます。
忙しい毎日のなかで、つい行事を“やらなきゃ”と感じてしまうこともあるけれど。
無理なく、自分たちらしく、“わが家だけのお正月”を見つけていくことが、いちばん自然で、あたたかな伝え方なのかもしれません。
今年も、来年も、その先も。
笑顔と一緒に「わが家のお正月」が続いていきますように。



