習い事をたくさんさせる親の心理とは?子どものため、それとも親の不安?

子どもの習い事、気がつけば増えすぎている…。

そんな悩みを抱える親御さんは少なくありません。

私も「これも役に立つかも」「周りの子がやっているから…」と、気がついたら毎日何かしらの習い事が入っていて、子どもも私もぐったりしてしまった経験があります。

スケジュールを見返すと、休む日もなく送り迎えに追われ、子どもの顔もどこか疲れていました。

そのとき初めて、果たしてこのやり方で本当に良いのだろうかと考えるようになったんです。

今回は、習い事をたくさんさせたくなる親の心理をもう少し深く掘り下げながら、子どもの気持ちに寄り添える選び方について。

私自身の反省や気づきを交えて、具体的にお話していきますね。

習い事をたくさんさせる親の心理とは?

「子どもの可能性を広げたい」という思い

多くの親が「子どもにいろんな選択肢を持ってほしい」という気持ちから、つい習い事を増やしてしまうんですよね。

私も当時は、「ピアノも英語もできたらきっと将来役立つ」と信じていました。

もっといえば、できるだけ小さいうちにいろんな経験をさせることが、子どもの将来の武器になると本気で思っていたんです。

実際、周りのママ友も「やらせておけば後悔しないから」「早いうちから慣れさせないとね」という声が多く、それに後押しされていた部分もあります。

体験談を聞くたびに、私も負けたくないという気持ちが強まっていました。

親自身の不安や比較心

「うちの子だけ習ってないとかわいそう」という気持ちや、周りの子と比べてしまう気持ちもありました。

幼稚園や学校で「うちの子はもう九九ができるよ」と聞くと、胸がザワザワしてしまい、つい必要以上に習わせてしまったこともあります。

自分の中で「みんなやってるのに、うちはまだ…」という不安が大きくなり、それを打ち消したくて申し込んでいたんですね。

冷静に考えると、子どもが本当に必要としていたかどうかなんて確認しないままでした。

「いい親でいたい」というプレッシャー

周囲から「教育熱心な親」と思われたい、という気持ちも少しありました。

誰も責めていないのに、「やらせていない私は怠けてる?」と自分を責めるような感覚になることも多く、習い事の数を自慢のように語るママ友の輪に入ると余計にプレッシャーを感じていました。

今思えば、もっと子ども自身の気持ちや表情を見てあげればよかったな、と思いますし、当時の私は

  • いい親でいること
  • 子どもが笑顔でいること
この2つのことが、すり替わってしまっていたように感じます。

習い事のやりすぎで子どもに起こること

心身の負担と疲れ

当時の息子は、毎日学校と習い事でスケジュールがびっしり詰まっていました。

夕方になるとぐったりしていて、家で遊ぶ元気もなく、泣きながら宿題をする姿に胸が痛みました。

週末も休めず、体調を崩すこともあり「これは子どものためになっていない」とやっと気づけた瞬間です。

その後は、睡眠時間や食事のリズムも乱れてしまい、明らかに疲れが溜まっているようでした。

自由な時間の減少

子どもにとって遊びは成長に欠かせない時間。

友達と泥んこになって遊ぶ日が減り、ひとりで本を読む時間もなくなってしまうのはやっぱりかわいそうでした。

放課後に友達と公園で遊ぶ約束を断る姿を見て、子どもから「今日は何もしたくない」と言われたとき、はっとしました。

家族で過ごす時間も減り、子どもがぼーっとする余裕も奪っていたと気づきました。

一方で得られるメリットも

もちろん、すべてが悪いわけではありません。

息子もスイミングでは達成感を得て、目標に向かう大切さを学んでいました。

発表会や大会に出て褒められ、自信をつける場面もあって、新しい友達もできて、得るものがある習い事はしっかり続けてもいいんですよね。

先生からの励ましや、仲間との協力で得られる経験はかけがえのないものだと思いました。

親の心理に気づいて、習い事との向き合い方を見直す

自分のためではなく、子どものために

「これって本当に子どもの希望かな?それとも私がやらせたいだけかな?」と自分に問いかけるようにしました。

時間をかけて何度も自分に問い続けるうちに、親の不安や見栄で無理にさせていた習い事が見えてきて、少しずつ整理できました。

自分自身も気持ちが軽くなり、子どもの笑顔が戻ってくるのを見て安心しました。

子どもの意思を尊重する

思い切って、子どもと一緒に「続けたいもの」「やめたいもの」をじっくり話し合いました。

すると「これは楽しいからやりたいけど、これはもういいかな」という本音を聞くことができて、私もスッキリしました。

子どもが自分の気持ちを伝える姿が頼もしくて、親として嬉しかったのを覚えています。

無理のないペースを大切に

いまは「週に2~3回」を目安に、休む日も必ず確保しています。

予定のない日があると、子どもものびのび遊び、家族の会話も増えましたし、私自身も余裕が持てるようになりました。

週末に家族で出かけたり、のんびり過ごす時間が増えたことで、子どもが楽しそうにしている姿を見るのが本当に幸せです。

無理のないペースだからこそ、習い事も長く続けられるのだと思います。

習い事を選ぶときに意識したいこと

子どもの性格や好みに合うか

いくら人気の習い事でも、子どもが興味を持てなければ続きません。

体験教室に行ったときの子どもの表情や感想をしっかり聞くといいですよ。

本人が楽しそうにしているか、どんな点が好きか嫌いかを掘り下げて聞いてみるのも大切です。

親が先回りして決めてしまうと、子どもは不満や抵抗感を抱えながら通うことになりますし、続ける意欲も下がってしまいます。

負担が少ない環境を選ぶ

送り迎えが遠くて大変だったり、親の生活が苦しくなるほど月謝が高いと長続きしません。

無理なく通える範囲や料金を選ぶことが、子どもの笑顔につながります。

特に共働きの家庭やきょうだいが多い場合は、スケジュールが過密になりすぎないかも考えてみてくださいね。

習い事が増えると親も子も疲れてしまうので、定期的に見直して負担が少ない環境を維持する意識が必要です。

家族の時間も大事にする

習い事で夜が遅くなる日が続くと、家族でゆっくり過ごせなくなるのもつらいものです。

少し減らしたことで、我が家は夕食後にみんなでゲームやおしゃべりができるようになって、すごく幸せです。

子どもも「今日は家でゆっくりできる」と嬉しそうにしてくれるようになりました。

家族で過ごす時間は、心の安定にもつながりますし、親子の絆も深まります。

長い目で見て、家族の時間を優先することも立派な選択だと感じています。

まとめ

習い事をたくさんさせるのは、子どもを思うからこそですし、その気持ちは決して悪いものではありません。

でも、親の不安や理想が強すぎて、子どもが苦しくなってしまうのは本末転倒ですよね。

私も当時、子どもの気持ちに気づかずに突っ走ってしまい、後悔したことがあります。

子どもの笑顔や「楽しい」という気持ちを大事にして、無理のないペースで選んでいくのが一番だと思いますし、それが結局は子どもの力になります。

ぜひ、子どもと一緒に話し合いながら、時には休みながら、心から楽しめる習い事を見つけてみてくださいね。

親としても、ゆったりした気持ちで子どもを見守る余裕が生まれてくると思いますよ。